【阪神】自力V消滅に岡田監督あきれ顔「勝敗って、その1点やないか」佐藤輝明の適時失策で敗戦

巨人対阪神 ベンチで渋い表情を見せる岡田監督(撮影・上田博志)

<巨人1-0阪神>◇12日◇東京ドーム

終わってみれば、あの1点かいな…。阪神が2位巨人を相手に今季15度目の完封負けを食らい、自力優勝の可能性が消滅した。1回裏2死二塁、三塁手・佐藤輝明内野手(25)が三塁線のゴロを好捕しながら一塁へ悪送球。適時失策による1点を巨人投手陣に守り抜かれた。G戦で適時失策が決勝点となっての0-1敗戦は60年ぶり。チームは3カード連続で初戦黒星となり、首位広島に4ゲーム差、2位巨人に3ゲーム差をつけられた。

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ライバル巨人が歓喜に沸くかたわらで、阪神の自力優勝の可能性が消えた。初回に失った1点が、この日の決勝点となった。「初回が」と聞かれた岡田彰布監督は、あきれ気味にぼやくだけだった。

「なあ。もう、そんなん分かってるやんか。勝敗って、その1点やないか」

痛恨の決勝打、ではなかった。先発の西勇は初回、先頭の丸に中前打を浴びたものの、2死二塁までこぎつけた。しかし直後に暗転。続く岡本和の三塁線への打球を、佐藤輝がつかんで一塁へワンバウンド送球するも、大山が捕球できず。後逸した間に、二塁走者・丸の生還を許した。

「俺1人で叫んだからな、『ワンバン!』って。俺だけやった、恥ずかしかったわ、ベンチで。そういうことや」

指揮官の決死の叫びも届かず、記録は佐藤輝の悪送球に。阪神が巨人に0-1で敗れた試合で失策が決勝点となったのは64年9月3日以来、実に60年ぶりだ。

西勇は自責0で7回1失点、96球の好投。「勝ちをつけないと」の問いに、またしても岡田監督は「その通りちゃうの。そんなん、お前。俺が言わんでも分かってることやんか」と話し、あきれたように笑った。

中5日で回ってきた巨人先発の山崎伊を前に、打線が見せ場なく沈黙。5回1死で木浪が左前打を放つまで無安打に抑え込まれた。7回には渡辺、糸原、島田と3連続代打を送るも1点を奪えず。相手右腕の調子を「そうでもなかったんちゃう。飛ばしてたけどな」と振り返ったが、野手陣が期待に応えられなかった。

8月12日-。85年に阪神球団社長の中埜肇氏が搭乗していたJAL123便、ジャンボ機が群馬県の御巣鷹山に墜落してから39年。悲しい試合に落ち込んでいては、先人たちに申し訳ない。残り37試合。虎に下を向いている時間はない。【磯綾乃】

▼阪神は今季の自力優勝の可能性が消滅した。阪神は残り37試合に全勝しても、最終成績は90勝48敗5分けで勝率6割5分2厘。広島は阪神との残り6試合に全敗しても、他球団との37試合に全勝すれば91勝47敗5分けで6割5分9厘となり、阪神を上回るため。

▼阪神の0-1敗戦は、7月20日広島戦以来今季6度目。決勝点が失策での0-1負けは22年9月18日ヤクルト戦以来。この試合は先発藤浪の6回の一塁悪送球で失点した。

▼阪神が巨人に0-1で敗れ、決勝点が失策だったのは64年9月3日(甲子園)以来60年ぶり。延長12回に遊撃の吉田義男が1死一、二塁から併殺を狙って一塁へ悪送球。これが決勝点となった。なお阪神は次戦から12勝8敗と持ち直し、大洋(現DeNA)を逆転して優勝を飾っている。