<阪神8-3ヤクルト>◇20日◇京セラドーム大阪
さすが連敗ストッパーや! 阪神がヤクルトに完勝し、引き分けを挟んでの4連敗を阻止した。先発の才木浩人投手(25)が7回7奪三振3安打無失点で自身初の2ケタ勝利に到達。これでチーム連敗時は自身5連勝だ。チームは5カードぶりの初戦白星を奪取し、8月に京セラドーム大阪で行われるヤクルト戦は10年8月14日から17連勝。巨人に完勝した首位広島とのゲーム差を5で保った。
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ラストボールまで才木は表情を変えなかった。7回2死から2者連続四球。球場全体がビジター席の応援、虎党の励ましの声援で入り乱れる。混在する大歓声をマウンドで浴びながら、集中力を切らさなかった。
「前回、前々回とすごくひどいピッチングをしてしまったので。今回は何がなんでも勝てるようにと」
118球目となる岩田への初球。151キロ直球で左飛に打ち取ると、何度も拳を握った。7回3安打無失点。前回登板では1三振も奪えず今季ワースト5失点。この日は7奪三振に加え、打ってはプロ初長打となる右越え二塁打も披露した。2度の足踏みを経て、自身初の今季10勝目だ。
「せっかく投げるなら、楽しんで投げないといけない。見てくれるファンのためにも、思い切って投げるところを見てもらいたいと思っていたので」
苦しい時もブレない精神は一朝一夕のたまものではない。今年5月から新たにメンタルトレーニングを導入。使うのはスマートフォンに搭載される「メモ機能」だ。生活の中で感じたことなどをありのままに書き込むもの。単純なメンタル強化ではなく「思考の置き所」に焦点を当てた練習だ。試合中にあらゆる考えがめぐり、集中力の分散を感じたことから取り入れた。
「集中しないといけない時に思考がどこにあるかとか、本当に今考えないといけないことなのかとか。試合中にごちゃごちゃ考えたりしていたから」
練習、試合、休日と関係なく毎日継続。「1日がすごくめんどくさく感じる」。「休まないといけないと感じている」など、ポジティブ要素もネガティブ要素も関係なく書き込む。
「どういうメンタリティーが自分はうまく行けるのか、みたいなところも分かる。考え方のトレーニングみたいな感じですね」
どんな場面でも動じないのは、自分と向き合い続けているからだ。
チームは5カードぶりの初戦勝利。首位広島とのゲーム差を5でキープした。14日巨人戦から続いた連敗を3で止め、チーム連敗時の登板はこれで自身5連勝となった。お立ち台では連敗ストッパーとして「任せてください」と頼もしく笑みもこぼした。節目の1勝で、またも流れを引き寄せた。【波部俊之介】
▼安藤投手コーチ(7回無失点の才木に)「前回はちょっと良くなかったけど、今日は変化球とかも良かったと思います。しっかり修正していた」
▼岡留(ヤクルト村上に四球を出してから3失点)「そこだけちょっともったいなかったです。しっかりやっていきたい」