<巨人2-0中日>◇25日◇東京ドーム
巨人坂本勇人内野手(35)が72日ぶりの決勝2ランで、勝利をたぐり寄せた。無得点に抑えられていた中日大野から、7回に左翼席へ、6月14日日本ハム戦(エスコンフィールド)以来の5号2点本塁打を描いた。6月から7月にかけて打撃不振で16日間のファーム再調整後、初アーチだった。先発した菅野智之投手(34)は7回1/3 5安打無失点え、両リーグ単独トップの12勝目を挙げ、チームは3カードぶりに勝ち越した。首位広島が敗れたため、1ゲーム差に再接近した。
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大合唱の坂本コールに耳を傾け、三塁の守備に就いた。7回に均衡を破った先制2ランが決勝弾に。8回の守備、スタンドからの歓喜の声に帽子を取って一礼した。1死から中日岡林の邪飛をスライディングキャッチ。攻守で際立つ存在感。相手に反撃ムードすら漂わせることなく勝利し、ハイタッチを交わす顔には自然と笑みがこぼれた。
「今年は特に、フェンス手前で失速することが多いので、なんとかいってくれと思いながら。フェンス越えてくれてよかった」。
0行進を続ける菅野と中日大野。7回に先頭モンテスがチーム初安打で突破口を開き、1死一塁で迎えた初球だった。「ランナーが出て代走も出ましたし、思い切っていく要素しかなかった。1、2、3で」。真ん中に入ってきた直球を左翼席へ運んだ飛距離107メートル弾の着弾を見届けると、ベンチに向け右拳。6月14日以来72日ぶりのアーチは、やっぱりうれしかった。
試合前練習では、1人左翼ポールめがけてロングティーを敢行。打球をスタンドへ飛ばす感覚を植え付けた。練習を終えると、ベンチで愛用のノックバットを磨き上げるルーティンは今も変わらない。7月に16日間のファーム再調整を経て「体のラインが変わらない意識付けをしてきた」。再昇格後もノーアーチが続いていた。だが同い年で昨年手術を経て好投を演じる相手投手の大野に「ケガして苦しんでいる姿を見てますし、ピッチングを目の前で見て何も感じないことはない」。その気概に奮い立った坂本が、ようやくアーチを描いた。
前日4安打の19歳浅野の活躍から一転、35歳の坂本が勝利をもたらした。「(浅野)翔吾の活躍も周りの選手は刺激になると思いますし、グラウンドに出れば年齢は関係ない。いい刺激になってます」。若手、ベテランが融合しながら残り28試合。スパートを掛ける。【栗田成芳】
▽巨人阿部監督(7回坂本の決勝2ランに)「勇人のホームランは素晴らしかった。0点のああいう展開ってどっちかの一発で決まるんだろうなと思いながら見ていたんだけど。突破口を開いたモンテスのヒットも大きかった」
▼巨人の安打は7回のモンテスと坂本の先制2ランの2本だけ。巨人が2安打以下で勝つのは4月25日中日戦に次いで今季2度目。前回は6回に出た吉川の二塁打と坂本の逆転3ランの2本で菅野が勝利投手。勝利投手とV打が今回と同じ2人だった。巨人の2安打以下の勝利は通算25度目だが、シーズンに2度以上は1リーグ時代の42年(5月17日朝日戦、9月13日朝日戦、11月3日大洋戦)以来、82年ぶり2度目。42年も9月と11月は勝利投手須田(スタルヒン)V打呉波の同じコンビで勝っている。