<阪神9-4中日>◇4日◇甲子園
男には意地がある。阪神佐藤輝明内野手(25)が、ミスを挽回する決勝打で大勝に導いた。2点差を追いついた初回無死二、三塁。小笠原の内角146キロ直球を詰まりながらも中前へ。2点適時打で勝ち越し、一挙6得点の猛攻につなげた。
「ミスを取り返すという気持ちでしたし、打線がつながっていい流れだったので、自分もうまくその流れに乗ることができました」
初回先頭近本から6連打。その「5人目」として続き、つないだ。8月最後の5試合は2安打と下降気味だったが、9月に入って再び上昇モード。「6連打ですごく良い攻撃ができたと思います」。2試合連続安打に表情は明るい。
これで今季99安打とし、新人から4年連続の100安打に王手。すでに到達している近本、森下、大山に続き、ドラフト1位の4選手が同一年に100安打を決めれば、球団初となる。頭文字をとって「近森大佐」4人衆。佐藤輝が快挙達成人となる日は近い。
打たなければいけない理由があった。初回の守り。無死一塁で福永の三ゴロを処理。併殺を狙った二塁送球がそれた。結果はオールセーフ。12球団ワーストの22失策目で、初回2失点につなげてしまった。村上登板時は今季5失策目。5月14日の中日戦(豊橋)では、逆転負けの要因となるエラーで翌15日に2軍落ち。村上も3敗目を喫した苦い教訓がある。
時は戻せない。ならば打って取り返すしかない。「チャンスだったので結果を残したい、と」。岡田監督も「便乗できたいうことやろ。みんなのアレに乗れたいうことやんか」と流れの大きさを説いた。仲間の力も借り、ミスしたその裏に最高の形で結果を出した。
連勝で首位広島とのゲーム差が3・5差に縮まった。背番号8は「まだちょっと差はありますけど、やることやっていきたい」。酸いも甘いも、全てを糧に前へ進む。【中野椋】