<巨人3-0ヤクルト>◇5日◇岐阜
天下取りだ! 巨人が総大将・阿部慎之助監督(45)の陣頭指揮のもと、投打の大将の活躍で勝利をつかみ首位再浮上した。岐阜城が見下ろす長良川球場での一戦で、若大将・岡本和真内野手(28)の22号先制3ランでのろしを上げると、投手キャプテンの戸郷翔征投手(24)が7回1安打無失点と無双した。今季初の中4日での先発で付け入る隙を与えず3年連続2桁勝利を挙げた。連敗を2でストップさせ、敗れた広島と入れ替わり、6日ぶりにセ界のてっぺんに立った。
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天下統一拠点の地すら、若大将の眼中になかった。4番岡本和が5回2死一、三塁で、ヤクルト山野の初球、ど真ん中の直球を一撃で捉えた。湿った空気を乾いた音で切り裂き、右翼スタンドへ入る22号先制3ラン。勝利の立役者は試合を終えると、あっけらかんとこういった。「あそこにあったの城やったんすか。暗くなってもあそこだけ光ってたんで『あれなんやろう』って」。岐阜城を背にしてバスに乗り込んだ。
総大将から若大将への変わらぬ信頼がたぐり寄せた。8月24日から続いた1番から4番の並びを9試合ぶりに動かした。浅野を7番に置き、代わって2番に入った吉川が2死から中前打。次打者・モンテスが遊撃内野安打でヒットエンドランを成功させ、一、三塁と拡大させたチャンスを不動の4番が仕留めた。前夜に完封負けで2連敗を喫した中、阿部監督が「なかなか打線が機能していなかったので、ああいうホームランは大きい」と、打順変更の作戦が功を奏した。
指揮官はかつて、ふもとまで登った岐阜城を横目に、試合前練習を左翼の位置から見守った。現役時代の17年7月24日、通算2000安打を目前に、岐阜での全体練習を終えると金華山へと続くゴンドラに乗り込んだ。タオルを頭にねじり鉢巻きにして締めて、難攻不落と言われた岐阜城を間近に見た。「何かを成し遂げるのは簡単なことではない。ここにきて改めて痛感させられた」と語っていた武将・織田信長の天下統一拠点の地。扇の要から総大将へと立ち位置を変えて、勝利への陣頭指揮を執り、首位に再浮上した。
中4日で先発した戸郷には「1-0でしか勝てないよ」とハッパを掛けた。「プレッシャーかけちゃったんだけど頑張ってくれた」と“投将”にお褒めの言葉。ヤクルト3連戦、大阪での2試合を落とし、岐阜・長良川に場所を移して迎えた一戦を、投打の猛将と総大将の三位一体となって制し、天下統一が見えてきた。【栗田成芳】
▼岡本和が5回に決勝3ラン。岡本和の勝利打点(V打)は両リーグ最多の今季17度目(2位はソフトバンク山川とロッテ・ソトの14度)で、昨季の16度を上回る自己最多となった。なお、巨人でシーズン17V打は15年坂本以来9年ぶり。