<楽天2-9ソフトバンク>◇11日◇楽天モバイルパーク
鷹の苦労人エースが完全復活のキャリアハイだ! ソフトバンクの5年目左腕、大関友久投手(26)が7回4安打2失点で自己最多の8勝目を挙げた。楽天打線を7回4安打2失点に抑え、4戦ぶりの勝ち星。チームの3連勝と楽天戦の2年ぶり勝ち越しも導き、優勝マジックを11に減らした。先発転向1年目の22年8月、左精巣がんの疑いで左睾丸(こうがん)の高位精巣摘除術を受けた。育成出身の星が試練を乗り越え、2桁勝利に突き進む。
◇ ◇ ◇
7回を投げ終え、大関が頼もしく仕事を果たした。仙台大時代に4年間を過ごした杜(もり)の都で、キャリアハイを更新するシーズン8勝目。仙台の秋風を心地良さそうに浴び、充実感をにじませた。
「仙台の知人も見に来てくれていた。いい姿が見せられて良かったなと。素直にうれしいです」
簡単に崩れなかった。4四死球を与えるなど、本来の制球力ではなかった。2回に2点を先制されたが、直後の3回に打線が同点に追いついてくれた。「スイッチが入った。気合を入れて投げられた」。マインドを切り替え、3回以降は無失点投球。直球にスライダー、フォークと低めに集めた。3者凡退は2度だったが要所で踏ん張った。
育成出身でプロ5年目。先発転向した1年目の22年に左精巣がんの疑いで、8月に左睾丸(こうがん)の高位精巣摘除術を受けた。開幕投手を務めた昨季は体調不良で夏場に戦線離脱。それでも球団の期待は大きく、今季は工藤公康や杉内俊哉らが代名詞の鷹の左腕エースナンバー47を背負う。度重なる試練を乗り越えてローテを回り続ける24年シーズン。勝ち星を積み重ねて22年の7勝を超えた。
直近3戦はクオリティースタート(QS、6回以上自責3以内)をクリアも白星に恵まれなかった。今回が4度目の正直で「いろんな人が勝ち星を気にしてくれていた。勝ちがついて喜んでくれた人がいてすごくありがたいなと」と感謝。自身は好投するも、リリーフ陣が逆転を許すこともあった。それでも、態度には出さない。気丈に振る舞う献身的な左腕をナイン全員が応援していた。
チームの3連勝と楽天戦に2年ぶりの勝ち越しを導いた。4年ぶりのリーグ優勝へまっしぐらの状況で、マジックナンバーは1減って11に。「残りの(登板予定の)2試合、3試合ですけど調子を上げていけるように」。開幕前から目標にしてきた2桁勝利も射程圏。どこまでも高みを見据え、マウンドに立ち続ける。【佐藤究】