希代のバットマンが、ユニホームを脱ぐ。ヤクルト青木宣親外野手(42)が今季限りでの現役引退を決断し、13日、都内の球団事務所で引退会見に臨んだ。会見の最後には山田哲人内野手(32)村上宗隆内野手(24)が登場。涙する村上を前に、もらい泣きした。日米通算2723安打は、NPBのみの選手と合わせて歴代5位。ミスタースワローズが第2の人生を踏み出す。
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「引退しましたとかって言えばいいですか?」と独特な言い回しをした青木の目頭は、自然に熱くなった。「俺も涙出てくるよ~。やめてくれよ~」とも言った。目線の先には、人目をはばからず涙する日本の4番。熱く抱擁するだけだった。
日米通算21年目。プロ野球人生に区切りを付けた。「自分が思ったパフォーマンスをファンに見せることができないのが一番の理由」と言った。その一方で「ほぼほぼ自分がやりたいことは達成したなって」とうなずいた。03年ドラフト4位でヤクルト入団。12年から米メジャーに渡るも、18年に再びヤクルトに復帰した。「縁があったということですよね。世界中にこれだけいて、出会わない人は出会わないので」とかみしめた。
球界野手最年長の冠はなくなる。球界最年長44歳の石川に報告すると「もう1年やろうよ」と言われたという。「ヤクルトのいい部分も悪い部分も知ってるような近い先輩。本当になんか、石川さんがいてくれて助かった」と感謝し、「多分、僕がいなくて寂しいと思うんで」と笑った。
第2の人生を問われ「今は漠然としていますけど、やっぱり野球…これだけ野球をやっていて、野球をいまだに好きなので、絶対に野球関係の何かをするだろうなとは思っています」。将来的な指導者としても期待はかかる。「やってみたいですよ。監督は。やってみたいです」と繰り返した。プロ野球人生に、点数を付けるとしたら? の質問に「100点満点」。迷いのない、力強い言葉だった。【栗田尚樹】
◆青木宣親(あおき・のりちか)1982年(昭57)1月5日、宮崎県生まれ。日向-早大を経て03年ドラフト4巡目でヤクルト入団。05年にイチローに次ぐプロ野球2人目のシーズン200安打を達成し新人王。10年にプロ野球唯一となる2度目の200安打達成。首位打者3度、最多安打2度、最高出塁率2度、盗塁王1度。ベストナイン、ゴールデングラブ賞各7度。11年オフにポスティングシステムで大リーグのブルワーズに移籍。アストロズ時代の17年6月に日米通算2000安打達成。18年にヤクルト復帰。21年に初の日本シリーズV。08年北京五輪、06、09、17年WBC日本代表。175センチ、80キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸1億4000万円。