<ソフトバンク8-6オリックス>◇1日◇みずほペイペイドーム
この経験が、大投手への道しるべとなる-。ソフトバンクのドラフト1位ルーキー、前田悠伍投手(19)がプロの洗礼を浴びた。オリックス戦で1軍初登板に臨むも、3回8安打6失点でノックアウト。初回は打者3人、わずか6球で抑える好スタートも、2回に犠打を挟む長短5連打で4失点した。3回は特大2ラン被弾。デビュー戦は悔しさの残る結果も、チームは逆転勝ちでプロ初黒星は免れる強運ぶり発揮した。
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プロ初の1軍マウンドはほろ苦かったが、前田悠はすでに前を向いていた。試合後、はっきりとした口調で言った。
「全力でいったつもり。打たれてしまったのは自分の実力が足りない。学んだことはたくさんあります。自分で反省して、次はいいピッチングができるようにやっていきたい」
1軍のレベルを肌で痛感し、表情が曇った。3回無死一塁の場面。「2軍で打ち取れていたコースでも、1軍のバッターには打たれてしまった」。相手の4番セデーニョに2ラン被弾。1ストライクからの内角低めチェンジアップを豪快に左翼スタンドへ運ばれた。この回でノックアウト。被安打8、2四死球も与え、6失点と悔しい結果に終わった。
高卒1年目の19歳。期待は大きいからこそ、小久保監督も厳しい表情だった。「見ての通り。めった打ちですよね。あんだけ分かりやすいノックアウトの方が彼にとってプラスと捉えてます。いい教訓になったんじゃないですか」と成長の糧にすることを願った。
大阪桐蔭からドラフト1位でホークス入団。「世代屈指の左腕」の肩書きを背負い、鳴り物入りでプロの世界に飛び込んだ。今季はウエスタン・リーグで4勝1敗、防御率1・94。プロ1年目から申し分ない成績を残していた。順調にきていたサクセスストーリーも、1軍デビューはまた別物。記念すべきプロ初勝利は甘くなかった。小久保監督は「人生初の挫折と言ってもいいかもしれないです。ただ、6点ビハインドで負けがつかないことに、前田悠伍っていうのを感じた」。打線は6点差をひっくり返しての逆転勝ち。ドラ1左腕のプロ初黒星が消え、強運デビューでもあった。
「もっと完璧に抑えられるように練習からしっかりやっていきたい」。今後はファームに合流し、悔しさをバネに再出発を誓った。入団会見で「200勝」を目標に掲げた背番号41。苦い過去が大投手への道しるべとなる。【佐藤究】