<猛虎リポート>
日刊スポーツの阪神担当が、沖縄春季キャンプのチームや選手に独自の目線で迫る「猛虎リポート」。波部俊之介記者が、高卒3年目を迎えた門別啓人投手(20)の「特殊グラブ」に迫った。たった指1本分で、そんなに違うの?
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宜野座キャンプの第1クール。ブルペンで投球を続ける門別のグラブをよく見ると、他の投手とは大きく違う部分があった。今季からプロスペクト社のブランド、IPセレクトの「アルモニーア」モデルに新調。一般的なグラブでは人さし指を外に出して使用することが多いが、中指を外に出す特殊なタイプだ。
「投球の中で、自分で(体の開きを抑えて)壁を作ろうとしなくても、(自然と)壁が作れる感じがあるんです。そういう体の使い方が良くなるように設計されているグラブで、自分に合っているのかなと」
新グラブは昨秋のフェニックスリーグ後から試してきた。日本代表としてプレミア12にも出場した日本ハム北山ら、プロの投手も愛用している。中指を出すことで握り込み方などが変化。担当者によると、指1本の違いだけで、グラブ側の手を巻き込むことなく真っすぐ出せるようになる。それが重心の安定やスムーズな体重移動、門別の言う「壁」を作り、ためたパワーを一気に放出できる投球になるという。
壁を作ることは、課題としてきた部分でもあった。「体が開いてしまう癖があった」。新相棒を実際に使用する中で、ボールの変化も実感している。「シュートしにくくなったと思います」。キャンプでは練習用、試合用ともに同モデルを使い、よりフィットさせていく。
高卒2年目の昨季は岡田前監督からローテ候補と大きな期待を受けながらも、1軍先発は2試合のみ。プロ初勝利もつかむことはできなかった。今春キャンプでは、第1クールの4日間中、3度ブルペン入りするなど今季にかける思いは強い。勝負の3年目。心強い相棒とともに、理想の投球を手に入れる。【波部俊之介】