<広島5-1巨人>◇15日◇マツダスタジアム
祖父にささぐアーチ。広島小園海斗内野手(24)が、自身初のグランドスラムでチームを3連勝に導いた。0-1の6回1死満塁から巨人山崎の高めの球を捉えて右翼席に運んだ。難敵右腕から今季チーム初得点が逆転の満塁弾となった。巨人相手に今季2度目の本拠地3連勝。前回敵地東京ドームで3連敗を喫した借りを返した。勢いに乗り、16日から0・5ゲーム差に迫った首位阪神との敵地3連戦に挑む。
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浮いた球に、小園の体は反応した。力みになく振り下ろしたバットが捉えた打球は、天に向かうように伸びた。前進守備の右翼手のはるか頭上を越え、右翼席に吸い込まれた。「どんな形でもいいので、1点だけは入れないとヤバいなと。何とか食らいついてやろうという感じでした」。大歓声と赤い波で揺れる中、右手を天に突き上げながらダイヤモンドを一周。ホームを踏むとチームメートとハイタッチして喜びを爆発させた。
「弱い自分」と決別した。5月4日中日戦では「グラウンドで弱い姿が見受けられる」と新井監督から指摘され、23年7月4日からの連続試合出場が途切れた。13日巨人戦から腹をくくったように、初球攻撃が目立った。3試合で14打席中12打席でファーストストライクを振りにいく姿勢を見せた。
弱い姿を見せるわけにはいなかった。2日前の13日、祖父が他界。両親は野球経験がなかったが、祖父には幼少期から甲子園へよく連れて行ってもらい、自然とバットを握るようになっていた。報徳学園での甲子園出場も、プロ入りも喜んでくれた笑顔が目に浮かぶ。「一昨日、1人でいっぱい泣いたので」。グラウンドでは涙を胸にしまい、戦った。
プロ入り初の満弾で早くも昨季に並ぶシーズン2号となった。新井監督は「追い込まれた中で高めの変化球に反応して、あそこまで飛ばすんだからね。まだまだ彼には期待していますよ」と逆境の強さをたたえた。チームも前回敵地で3連敗した巨人に、本拠地3連勝でやり返した。
16日からは0・5ゲーム差に迫った首位阪神との3連戦。首位攻防を前に、小園は祖父の告別式に参列する予定だ。感謝とともに新たな決意を告げて、敵地・甲子園へと向かう。【前原淳】
▼広島小園がプロ初の満塁本塁打。広島の選手が本拠地の巨人戦で逆転満塁本塁打を放ったのは、80年7月8日の山本浩二(投手鹿取)、02年8月4日の西山秀二(投手真田)に次いで3度目。
▼広島がマツダスタジアムでの巨人戦でシーズン6連勝したのは18年開幕から9連勝して以来7年ぶり。