<日本生命セ・パ交流戦:西武3-2阪神>◇11日◇ベルーナドーム
阪神伊藤将司投手(29)が大きな希望になった。今季初先発で7回2/3を無失点。不振に苦しんできた左腕にやっと輝きが戻った。
「(直球が)コースにもしっかり決まっていたので良かったと思います」
初回は3者凡退。2回は2死から連打されたが、一塁走者を得意のけん制で誘い出し、重盗を防いだ。3回以降は完全に波に乗った。140キロ台中盤の速球が走り、得意のツーシームを打者のふところに投げ込んだ。高低も自在に制球した。4安打1四球の安定感で「0」を並べ続け、8回2死一、二塁で及川と交代。3アウト目を奪ってくれた横浜高の後輩左腕に会心の笑みで感謝した。
新人年の21年から優勝した23年までの3年で計29勝を挙げた左のエース。この日のような投球も2年前までは“日常”だった。1年以上前から出口の見えないトンネルをさまよった。生命線の直球が全く走らない。フォームにさまざまな修正を加えても、状態は上向かなかった。昨年後半は経験を買われて中継ぎに回ったが、打ち込まれた。
5年目の今季。自主トレ、キャンプと基本に立ち返った。体重移動など本来のフォームを再確認。リリースで指にしっかりかけることを意識した。地道に2軍で登板を重ね、1軍のまっさらなマウンドにたどり着いた。「やっぱり直球あっての変化球。直球は強さとかが必要。一番取り組んだところです」。長い“リハビリ”を振り返った。
藤川監督も頼もしげだ。「素晴らしかったですね。いいところまでいってくれて、及川につないで。低めも素晴らしい制球力でした」。なかなかローテ投手が固まらなかった水曜日。復活した伊藤将がハマれば大きい。昨年7月以来の勝利はつかめなかったが、十分に前を向ける会心の105球だった。【柏原誠】