【阪神】大山悠輔が初回にグランドスラム「自分で勝ち越せるように準備をしていた」Vマジック3

阪神対広島 1回裏阪神無死満塁、大山は左越え満塁本塁打を放つ(撮影・上山淳一)

虎の頼れる男が甲子園に栄光の架け橋を架けた。阪神が2年ぶりリーグVへ優勝マジックを「3」とした。5番大山悠輔内野手(30)が初回に自身5年ぶりとなる9号グランドスラムを放つなど、今季最多1イニング6得点と猛虎打線が爆発。今季甲子園最多4万2644人の観客も狂喜乱舞だ。藤川阪神の最短Vは9月7日。さあ、もうゴールテープは目前。一気になだれ込む。

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今季最多4万2644人が「虹」を見つめていた。1時間前に見えた本物と同じくらいに輝く大アーチ。優勝を間近に控える甲子園が、大山のグランドスラムで夢の空間と化した。

「すぐに追いついてくれたので、自分で勝ち越せるように準備をしていました。初球から自分のスイングができて、一番いい結果になった。久々にああいう打球を打ったので。(大歓声は)すごく良かったです」

初回に1点先制されたが大反撃。その裏、森下の左前打で追いつき、さらに無死満塁。「どんな形でも打点、得点しようと思った」。リーグ最多60四球を選んでいる5番打者。四球は避けたい相手心理を読んで、広島森の初球チェンジアップを振り抜いた。打った瞬間に、確信。出迎えた3人の走者と笑顔で喜び合った。

20年9月以来、5年ぶり3本目の満塁弾。甲子園では初。阪神の6得点はイニング別で今季最多。初回の攻防で試合は決した。

大山の顔には少しの笑みが浮かんでいた。苦しみが報われようとしている。前回優勝は全試合4番。最高出塁率で打線の柱になった。FA宣言した末にチーム残留を決めた今年は、5番に任命された。藤川監督からは「打点」を期待された。佐藤輝、森下の若い2人が前を打つ。そのあとの5番は、経験値が高く、チーム打撃も1発も打てる大山にしか務まらない。新監督が描く攻撃だった。

期待に反し、序盤は打率2割台をうろついた。魚雷型バットを試すなど打撃スタイルの試行錯誤をへて、7月に一気に調子を上げた。大山の浮上とともに阪神はアクセル全開。5試合ぶりの安打だったが、その間も2本の犠飛あり、四球も進塁打もありとチームに貢献していた。藤川監督は「練習から内容を見ているから、何の不安もなかった、経験と、確かな実力がある。そういうこと」と大山の働きを絶賛した。

優勝マジックは1減って「3」。優勝は早くて7日だ。過去最速の90年巨人の9月8日に迫るスピードでここまで来た。「幸せな時間。このままマジックが3とか2の状態でずっと行かないかな、なんてぜいたくな悩みはあります」。そう藤川監督はかみしめた。きっと、ファンも同じ気持ちだろう。【柏原誠】

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