西武のドラフト5位ルーキー、篠原響投手(18)が7日のロッテ戦(ベルーナドーム)で先発投手として1軍デビューする。
高知・春野での2軍キャンプで球団幹部、2軍首脳陣から絶賛された。「ドラ1級」との声もあり、実際に視察した他球団関係者も「今回のドラフト一番の掘り出し物」と西武の“眼”をたたえた。
2軍戦で最速154キロ、打者72人連続無四球…なぜそんな逸材が「ドラ5」だったのか。広池浩司球団本部長(52)は「戦略的には理想通りでした」と振り返る。
篠原には5球団から調査書が届いた。決して多くはない。一般的には「上位指名は考えづらい」という判断になる。
広池本部長は「それでも篠原のうちの評価は相当高かったですよ。ただ背も高くないし、完成度は高いけれどのびしろはどうか…と判断するようになる投手だと思います」と証言する。
他の複数の球団関係者も「篠原も評価は高かったが、狩生のほうがもっと高かった」と、狩生聖真投手(18=佐伯鶴城)の名を挙げた。
実際、西武はどうしても野手がほしい昨秋ドラフトで1、2位を野手で固めた上で、狩生を3位で指名した。ウエーバーで2位が12球団最初の指名だったから、3位は最後。「まさか狩生があそこまで残っているとは思わなかった」という声もある。
ドラフト会議には各球団の監督もテーブルに座り、議論に入る。現場はどうしても即戦力を求めがち。広池本部長も「高校生の投手は時々、ああいう形で3位以降に残っていることはありますよね」と話す。
どこかの球団の1つの指名で、その後の全球団の「流れ」がガラッと変わることもあるのがドラフト会議だ。
九州NO・1投手ともいわれた狩生が、3位指名の最後=36番目まで残るほど、高校生投手が“遅め”になったドラフトゆえ、ほぼ5球団に可能性が絞られていた篠原も5位の最後、ドラフトの「60人目」まで残っていたといえる。
一方で、篠原のデビューの速さも全くの想定外だったわけではないようだ。広池本部長は明かす。
「もともと今年のルーキーの中では完成度が高くて、狩生が素材型で。篠原のほうが出てくるのは早いって話は、スカウトの間でもありました」
60番目の男がその10カ月半後、さらにその名を広く響かせるか。満を持してデビューする。【金子真仁】