西武のドラフト5位ルーキー、篠原響投手(18=福井工大福井)が7日のロッテ戦(ベルーナドーム)で先発投手として1軍デビューする。
6年前の“1発”を忘れない。「記憶にあります。同年代の中でもあいつは体、大きかったですね。中1でホームラン打たれたんです」と回想する。
その相手は今、そばにいる。西武に同期入団した、育成3位のラマル外野手(19=大阪桐蔭)だ。ともに愛知・名古屋市出身。中学時代は別々のボーイズリーグのチームでプレーした。
しかし篠原は覚えていても、ラマルは。
「中1の時っすか? えーっ。覚えてないっす」
覚えていない理由も明白で、ラマルは当時、中1にして本塁打を何本も打つような選手だった。中1での本塁打は「(一般的に)そんなにポンポン出るもんじゃないっす」というものだが、ラマルはけっこう打っていたという。
数少ない本塁打でもないから相手投手までは覚えていない。でも2年後、再戦した時は覚えている。「ボーイズの選抜の試合でした。いい球投げるなって。130キロ台後半でスライダー良くて」。今度は篠原に三振を奪われた。
高校は別々の地区に進み、3年後、ドラフト会議で再び運命が交差する。
「中学の時に対戦して、今度は同じチームでできるんで。だから同じ土俵に立って一緒に野球したい気持ちです」
篠原の1軍デビューが決まり「絶対に抑えてこい。全部出し切れ」と励ました。自身は7日午前、炎天下のカーミニークフィールドで特打に励んだ。
「先に進んでるな、置いて行かれてるな、みたいな感じはします。追いつけるように頑張ります」
疲れ切って下を向いて歩き、球場の出口が近づく。その5秒前、ベルーナドームへ出勤する篠原がその出口を横切った。
いくつになっても運命が交差する間柄だ。【金子真仁】