<西武2-0ロッテ>◇29日◇ベルーナドーム
西武の山田陽翔投手(21)は「いえいえ」と謙遜するものの、新人王候補の1人といえる。
近江(滋賀)の「エースで4番」として甲子園を沸かせたスターも、プロ入りから2年間はファームでもパッとせず、存在感は薄れるばかり。
それでも肝の強さを買われてリリーフ転向すると、独特の球筋も生きて、一気に開花した。西口文也監督(53)ら首脳陣も早い段階から必勝リレーに入れ、山田も期待に応えていった。
完璧に抑える日もあれば、この日のように3連打で満塁のピンチを招く時もある。でもプレッシャーにつぶされず、抑えきることのほうが多い。
「楽しめてると言ったらそうなのかもしれないですけど、割りきってるというか、自分のできることだけをやろうと思って投げてるので」
この日は7回2死満塁でロッテ西川史礁外野手(22)との対戦になった。
ドラフト1位ルーキー。後半戦に一気に勢いづき、新人王争いの有力候補の1人とされている。
山田は「意識してないっすよ」と照れながら首を振る。それでも「カットボールでゴロを打たせることができたら」とイメージして挑んだ。
そしてその通りに崩し、力ない二塁ゴロに。無失点でしのいだ。「イメージ通りに打ち取れて良かったです」。ホーム最終戦の勝利につなげた。今季47試合目の登板で、ホールド数は「15」に伸びた。
他にもチームメートの渡部聖弥外野手(23)、楽天宗山塁内野手(22)、日本ハム達孝太投手(21)と候補者ずらりの今季のパ・リーグの新人王レース。
強力なライバルたちと決定的に違うのは、山田は開幕前は全くの“無印”だったということ。
得点力の高くない西武で、リード時のリリーフの安定感は勝敗に大きく直結する重要なポジションだ。
山田は経験者組を差し置いてそこにハマり、大きく崩れることもけがもなく、チームの62勝を支えている。大卒の打者候補たちに比べれば確かに目立たない。ただ所属チームへの貢献度でいえば、山田陽翔も堂々たる新人王候補だ。【金子真仁】