阪神西純矢投手(24)が11日、野手としての第1歩を踏み出した。
前日10日に球団が投手からの転向を発表。ポジションは外野で、この日参加した甲子園での1、2軍合同練習で充実の汗を流した。「1週間ぐらい悩んでいた。やると決めたからにはピッチャーとかいまさら言っても仕方ない。バッターで活躍できるように」。誓いを立てたその表情は引き締まっていた。
まずは俊介2軍野手コーチがつきっきりで、外野用グラブでキャッチボール。基本動作の指導を受け、外野でフリー打撃の打球を捕球した。走塁練習にも取り組み、午後のシート打撃では左翼や中堅に就き、4度の守備機会をそつなくこなした。「外野の人の動きとかをずっと見て学んでいました。ボールの捕り方などを意識して、どこまで打球を追えるのかとかを考えながらやりました」。屋外打撃練習のお披露目はお預けとなったが、全体練習終了後の個別練習では室内でしっかり“初打ち”した。
先人からも金言を授かった。8日の2軍施設の室内練習場。投手から外野手に転向して通算1755安打をマークした糸井スペシャルアンバサダー(SA)から激励された。「『人より遅れているから、練習も人の倍以上やらないといけない』とかいろいろ聞きました」。高校通算25本塁打で、プロでも22年のヤクルト戦で高橋から豪快な本塁打を放った打棒を磨く意気込み。「(転向して)活躍している人は左バッターが多い。右ですけど頑張ります」。右打者の成功例が少ないジンクスを破る覚悟だ。
「たまに大きいのを打てて、率を残せるようなバッターになれたら」。甲子園の星を目指す。【塚本光】
◆投手から野手への転向 投手としてプロ入りし、後に野手に転向した例は多く、石井琢朗(横浜)や糸井嘉男(日本ハム)、嶋重宣(広島)らがタイトルを獲得する活躍を見せた。川上哲治や王貞治(ともに巨人)、愛甲猛(ロッテ)らも投手としてプロ入りしている。転向組で実績を残した選手には左打者が多く、右打者では西沢道夫(中日)が活躍。投手で60勝を挙げた後に内野手に転向し、52年には首位打者と打点王の2冠を獲得。通算1717安打を放って初代ミスタードラゴンズと称され、77年に野球殿堂入りした。近年では、06年高校生ドラフト1巡目指名で西武入りした木村文紀(文和)が、投手で1勝を挙げた後、外野手に転向し、23年までプレーした例などがある。
▽阪神俊介2軍野手コーチ(西純について)「野手の練習も初めてで、流れも覚える意味でも、今日はあまり(多くのことを)言っていません。投手上がりなので肩は強い。そういうところを生かしながら頑張ってくれればいいと思います」