【西武】「12回目の正直」3軍戦で巨人に初勝利 それぞれの思いに「君たち次第」青木コーチ

7月17日、巨人3軍戦で打席に立つ西武オケム(撮影・金子真仁)

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西武の歴史が9月28日、人知れず動いた。巨人に3-2で勝った。初めて勝った。3軍戦のことだ。青木智史3軍総合コーチ(46)は「12回目の正直です」と言う。19年秋の新設以降、同じく3軍制を敷く巨人とソフトバンクにはそれまで1度も勝てずにいた。

3軍の試合は非公式試合だ。NPB2軍、社会人野球チーム、大学生、クラブチームなど相手は多岐にわたる。67試合で41勝19敗7分け。開幕直後の20試合は15勝1敗4分けと圧倒。でも「9月は1勝しかできませんでした」。育成途上でまだ波がある選手たち。「だからこそ最後の巨人戦の勝利は大きいんです」と青木コーチは言う。

巨人戦で打点を挙げたオケム外野手(19)は育成ドラフト7位で旭川志峯(北海道)から入団した。線が細く、春先は振りの弱さを心配する声も多かった。「でもオケムは教えたことに感覚の神経がつながるとすぐにできちゃう。試合を重ねることでの成長率が高い選手」と青木コーチは言う。自慢の足も19盗塁を記録した。

若い高卒育成選手もいれば、リハビリ明けの森脇亮介投手(33)らも3軍に長くいた。それぞれに抱える思いがある。巨人戦後、青木コーチは伝えた。

「3軍にいても野球選手としてお金にならないのは分かってると思うし、ここにいたいわけじゃないのも分かってる。でも決して否定的に捉えてほしくない。自分では活躍する場を選べない中で、1年間やり通したことは立派な経験則になるし、実績になる。それをこの先、どう生かしていくかは君たち次第だ」

彼らの多くは10月、宮崎へ。勝利の成功体験や1年間の葛藤をブレンドしながら、フェニックスリーグを戦う。【金子真仁】

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