【西武】10年前のドラ1平沢大河は「遠い昔ですね」と今に集中 移籍1年目は1安打に「悔しい」

平沢大河(25年4月19日撮影)

ペナントレース5位の西武は10月中旬の今、本拠地ベルーナドームで1軍の秋季練習を行う。一方で若手は宮崎県内での「フェニックス・リーグ」を戦う。

どちらのメンバーにも入らない選手たちもいる。本拠地隣接のカーミニークフィールドで練習に励む。ドラフト1位でプロ入りした選手たちの姿もある。

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ドラフト会議まで1週間を切った。平沢大河内野手(27)は「遠い昔ですね」と10年前をひと言で済ませかけた。

15年ドラフトでは、仙台育英(宮城)の走攻守ハイレベルな遊撃手として注目された。地元楽天とロッテが1位入札で競合し、ロッテに決まった。

「宮城はやっぱり新聞でもテレビでも楽天のニュースばっかりで。1週間前とかも僕を1位ってずーっと言ってて、だから楽天に行くんだろうなと思ってました」

とはいえ浮かれることもなかった、10年前のドラフト直前の時期。10年たって今は「興味? 全くないですね。候補選手とかも全然分かんないし」。

4年ほど前から、そんな感じだという。「周りを気にしてても、どうにもなんないんで。自分のこと、やるだけです」と悟る。

昨オフ、先輩角中が主催するゴルフコンペを終えてゆっくり座っていたところに電話が来た。現役ドラフトで西武に移籍することが決まった。

「期待されて入っている中で期待に応えられないもどかしい気持ちが大きかったですし、いま思うとすごく申し訳ないって気持ちがすごく強いですね」

そんなロッテでの9年間を経て、西武での1年が終わって、まず出てきた言葉は「悔しいですね。チームの力になれなかったので悔しいです」だった。シーズンで1安打に終わった。

キャンプ、オープン戦を1軍で過ごし続け、二塁のスタメン候補として開幕1軍のメンバーに入った。昼前に球場に着いた。アップを始めた。「その途中でしたね」。急性腰痛を発症し、そのまま球場を離れることになった。

「いや、それはもうタラレバなんで。今は何とも思わないですね」

5月下旬に再昇格し、10打席0安打で再び2軍調整へ。7月半ばに再々昇格し、同16日に2番二塁でスタメン出場。ポール際への大飛球を放ったものの、数十センチの差でファウルに。数日後にはまた2軍へ。

あの打球がもしホームランだったなら。

「タラレバです。もってないです」

タラレバ-。「まぁ、そう思うことはありますよ」としながら「それが実力なんで。もっと打てれば良かったんです。打てなかっただけです」と話す。

走攻守、との枕ことばがついたのも今は昔。平沢自身は「もっと打てれば」と何度も言う。静かな室内練習場で個別練習に励む。

「3割打って(1軍に)上がれないなら3割5分打つだけです。使われるまで打たなきゃダメですね」

甲子園の星は年輪を重ね、切れ味鋭い職人気質を帯びている。【金子真仁】

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