<セ・CSファイナルステージ:阪神-DeNA>◇第3戦◇17日◇甲子園
シーズン最終盤にして、初の光景だった。DeNAケイ投手(30)が5回終了までマウンドを守れない。5回2死二塁、迎えた4番佐藤輝に申告敬遠。虎ファンからの大ブーイングを受け、歩み寄ってきた三浦監督にボールを預けた。
調整登板で2回無失点だった9月30日ヤクルト戦(横浜)を除けば、レギュラーシーズン、CSファーストステージを通じて、初めて5回を持たずに4失点で降板となった。
今季の防御率1・74は球団歴代最高だった。60年秋山登を超えた助っ人左腕は、負ければ今季終了の崖っぷちで、希望を託された。「近本選手、中野選手も足のある選手で警戒すべき選手。なるべく塁に出さないようにはしたい」。試合前の想定は初回に崩れた。
近本に初球の150キロ直球を左前に運ばれた。まるで本塁打が出たかのように、一気に甲子園が沸騰した。中野は自らバント処理巧みに二塁封殺も、快足の中野に併殺はならず。中軸の前に走者を残すと、森下に四球で1死一、二塁に。
避けたかった展開で迎えたのは4番佐藤輝。初球に選んだ外角低めのスライダーをはじき返され、希望を打ち砕くようにボールはバックスクリーンへ。わずか5球で3失点。逆襲の機運は少しも許されなかった。
試合前、指揮官は語気を強めていた。「勝つ、勝ちたいっていう気持ちはね、強く持って。自分だけじゃなく選手もそうですし、コーチもスタッフも全員がね、そういう気持ちを持って今日も球場に来てます」。敵地に厳しい現実が待っていた。【阿部健吾】
DeNAケイ 今日は与四死球が4と制球がうまくいかず、また足の速いランナーを塁に出してしまい、アグレッシブな投球ができませんでした。非常に悔しいです。