<パ・CSファイナルステージ:ソフトバンク1-7日本ハム>◇第5戦◇19日◇みずほペイペイドーム
日本ハムが“新庄マジック”さく裂で、日本シリーズ進出に逆王手をかけた。ソフトバンクとのCSファイナルステージ第5戦(みずほペイペイドーム)は、新庄剛志監督(53)が偽装バントにエンドラン、2ランスクイズなど次々と仕掛けて得点を重ねて快勝。プレーオフ、CSで0勝3敗(アドバンテージの1敗を含む)からは史上初となる3連勝で勝敗をタイに戻した。残すは20日の第6戦だけ。最後の最後で、さぁ、どっちが勝つんだ-。野球の神様に願った以上のドラマチックなCS突破を決める。
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日本シリーズ進出に逆王手をかけた新庄監督は、さっそうと球場を後にした。歓喜する選手たちをハイタッチで出迎えてから約30秒で帰路へ。報道陣の前に立ち止まることなく、右手で“1番ポーズ”をしながら「ワンモア、ワンモア、ワンモア、ワンモア(あと1勝)」と言っただけだが、表情は明るく、声のトーンも高い。攻めダルマになって仕掛けまくった“新庄マジック”が決まっての3連勝に笑顔だ。
試合を動かしたのは4回だ。CS絶好調のレイエスが勝負を避けられるように四球を選んで無死一、二塁。4番郡司は初球と4球目に構えても見逃す偽装バントを実行するなど相手を揺さぶって四球を勝ち取り、満塁とした。続く清宮幸の一ゴロの間に先制点を奪った。さらに2死一塁ではエンドランが成功。万波が大きく空いた三遊間を抜く左前打で一塁走者の清宮幸は三塁まで進み、矢沢の適時二塁打が生まれた。
3点リードながら円陣も組んで臨んだ5回は1死二、三塁で2ランスクイズを仕掛けた。二塁走者の清宮幸は本塁でアウトとなったが、場内が大きくどよめくなど新庄監督が繰り出す采配で完全に試合全体を制圧。監督就任から4年間で醸成してきたチーム戦術、選手の対応力、勝負勘。すべてがかみあって、史上初の0勝3敗からの3連勝で逆王手につなげた。
下克上突破へ、選手たちのムードも最高潮だ。試合後のロッカーは「ウェーイ!」と大盛り上がり。エンドランに絡み、5回には適時二塁打も放った清宮幸によると「『おい、おい、おい』のかけ声でヒーローが踊るみたいな。昨日はモーレ(レイエスの愛称)が踊ってました。古林も知らなかったと思うんですけど、いい対応力でした(笑い)」と歓喜のダンスタイムでさらに結束は高まった。
振り返れば、CSファイナル前日会見で新庄監督は言った。「もしもどこかに神様がいるのであれば、交互に勝っていって最後の最後で、さぁ、どっちが勝つんだっていうシリーズになってくれたらいいなぁ」。そんな劇的展開を超えるドラマを用意していた神様に応えてこそ、新庄監督だ。選手を信じて、決着をつける。【木下大輔】