1戦目20失点大敗も…八戸学院大が神宮切符王手!3番手阿部琉音が粘投「抑えられてよかった」

八戸学院大対東北学院大 3番手で登板した八戸学院大・阿部(撮影・木村有優)

<明治神宮野球大会東北代表決定戦:東北学院大2-4八戸学院大>◇25日◇決勝進出決定戦◇宮城・仙台市民球場

北東北王者の力を見せつけた。八戸学院大が、東北学院大(仙台6大学)を4-2で下し、1勝のアドバンテージを含め2勝で、決勝進出。同日行われた1戦目では1-20と大敗も、しっかりと切り替え、勝ちきった。3番手で登板した阿部琉音投手(3年=本荘)が3回1失点(自責0)。エース小林が足をつって緊急降板したが、頼もしい後輩が勝利を呼び込んだ。東北福祉大(仙台6大学)は、東日本国際大(南東北)に5-2で逆転勝ちした。

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照明に照らされたグラウンド。雨が降りしきる中で、阿部の渾身(こんしん)のガッツポーズが光った。「抑えられてよかった」。ようやく肩の荷が下りた。「4年生と1試合でも長く野球がしたい」。大好きな先輩との最後の試合にするつもりはなかった。

エース小林が6回途中にアクシデントにより緊急降板。新沼舘貴志監督(43)に「お前しかいない」と7回から送り出された。1戦目、チームは計22被安打20失点。2戦目で登板予定だった阿部は、ベンチから見守っていた。「切り替えよう」。自分の役目を全うするために、相手のデータをくまなく取り備えた。準備は万全だった。自慢の真っすぐは150キロ近い。ショッキングな大敗を引きずらなかった。指揮官も「最悪の展開でいかなきゃ行けない中で、よく投げてくれたと思います」とうなずいた。

もう、あの時とはちがう。2年前の東北代表決定戦では、富士大戦に2番手で登板し、1回4失点。「自分のせいで負けてしまった」と悔やんだ。「もうあんな思いはしたくない」。阿部は変わった。もともとメンタルは強い方ではなかったが、マウンドでは別人に。「抑えてなんぼ」。ピンチやアクシデントにも屈しない投手へと成長した。

目指すはプロ入り。来秋ドラフトを見据える。23日に行われたドラフト会議では、小林が指名漏れした。「あれ以上にならなきゃいけないんだ」。あらためてレベルの高さを思い知った。超えるためにも、どんな場面でも自分を出さなくてはいけない。「ここでつまずいているようでは、プロは無理だと思っています」。日に日に強くなり、成長を遂げている。夢へ近づくためにも、結果で示す。【木村有優】

 

○…負ければ終わりの崖っぷちで、思いが打球に乗った。2-2の9回2死二、三塁の好機で、2番・中野龍外野手(3年=大崎中央)。「なんとしても後ろにつなぐ」という思いは左翼越えの適時三塁打となり、勝ち越しに成功した。「負ければ先輩たちと最後の野球になってしまうので、1試合でも長く野球がしたくて」。普段は単打が多いが、この日は渾身(こんしん)の長打で決勝へと導いた。