虎にカリブの怪物が誕生か-。阪神藤川球児監督(45)は高知・安芸キャンプの9日、育成選手のスタンリー・コンスエグラ外野手(25)に注目していることを突如、明かした。底知れない魅力を漂わせる長距離砲。ワイルドな風貌に反して真面目な努力家で、打球速度がチームトップ級というとんでもないポテンシャルの持ち主だ。走攻守でスケール感あふれる“大穴”助っ人が、リーグ連覇の秘密兵器になるかも?
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まだまだ粗すぎる原石。ただ藤川監督は、その奥底で光るわずかな輝きを見逃さなかった。ドレッドヘアに、派手なタトゥー。外見だけでなく、フリー打撃でもノックでもひときわ目を引く背番号134。安芸キャンプで連日、若虎に目を配っている指揮官もコンスエグラに注目していた。
身長190センチ。長い手足を生かしたスイングから低い角度で飛び出す打球は、勢いを落とさず防球ネットに突き刺さり、バックスクリーンをたたく。指揮官は11日の中日戦の話をする流れで、自らその名を口にした。起用選手などはコーチに任せていたが、1人だけ“注文”を出していた。
「コンスエグラだけ、打順を前に持ってきてほしいと。4番とかに置きたくはない。それよりも走塁能力と肩が強いから。24、25歳なので。前に置いてくださいとお願いしました」。
監督の希望を受けて、新任の和田ヘッドコーチらが「2番右翼」でのスタメンを決めた。伝え聞いたコン砲は「うれしいです。監督が機会を与えてくれるなら、準備はできている。できるだけ多く打席に立ちたい。守備の部分でも評価されていると思うから打順を上にしてもらったと思うけど、まず打撃でアピールしたい」と静かに語った。
昨年12月、阪神がドミニカ共和国で行った入団テストで“発掘”。メジャー経験はないが、メジャー一流並みの打球速度で、米国でも話題を呼んでいた。今春キャンプで1軍練習に参加した際には、チーム1位の佐藤輝に匹敵する打球速度を出して驚かせた。
今季、2軍では25試合、本塁打なし、打率1割4分8厘…。低調な成績にもかかわらず、残留が決まり、藤川監督は可能性を見極めようとしている。育成の外国人がスターになったのは阪神バルディリスなど球界でも数えるほど。謎めいたコンスエグラの異例のサクセスストーリーが始まるかもしれない。【柏原誠】
◆スタンリー・コンスエグラ 2000年9月24日生まれ、ドミニカ共和国出身。18年にメッツ傘下でデビュー。昨年、キャリア最高の2Aに昇格し、同クラスで58試合、打率2割1厘、3本塁打、22打点。メジャー経験なし。昨年12月に球団が行った現地でのテストをへて初来日。190センチ、93キロ、右投げ右打ち。今季推定年俸は300万円。