<強化試合:侍ジャパン11-4韓国>◇15日◇東京ドーム
捕手争いが熱い。侍ジャパン岸田行倫捕手(29)が決勝3ランを放ち、持ち前の打力で存在感を見せた。2戦連続で先発マスクをかぶった坂本誠志郎捕手(32)はピッチコム、ピッチクロックの新ルールにも冷静に対応し3投手をリード。さらに途中出場した中村悠平捕手(35)、若月健矢捕手(30)と4人全員がそれぞれの持ち味で、来春のWBCメンバー入りへアピールした。
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自慢の打力で豪快な1発を放った。3-3で迎えた5回無死一、二塁。代打で打席に立った岸田が、韓国の4番手右腕、李浩成の初球スライダーをうまく拾い上げた。「積極的に振っていこうという気持ちで打席に入りました。松田(野手総合)コーチからもどんどん行けと言われていたので、その通り行きました」。左中間スタンドに届いた決勝3ランに、ファンもベンチもドッと沸いた。
今季リーグ戦で8本塁打をマークした強打者は「感触ほぼなかったですね」とお立ち台で笑わせた。巨人の女房役が「打」で存在感を発揮すれば、阪神の扇の要は「守」でアピールだ。「8番捕手」で先発したのは、10日の広島との練習試合に続いて坂本だった。
ピッチコムをスムーズに使って投手と意思伝達。ピッチクロックは、時間に追われた広島戦の反省を生かした。「最初よりも、自分の中で余裕を持って、いろんな選択を時間をかけながらできているというのは感じられている」。あえて時間をかけたり、制限タイム内で緩急をつけた。
3回の打席では、フルカウントからタイムを取る場面もあった。「曽谷だったと思うんですけど『あのタイムはピッチャーめっちゃ嫌だと思います』みたいなことを言っていた。ちょっと相手の心理的な部分でのタイムの取り方も、打席においてはできる可能性もある」。新たなルールも戦略につなげるクレバーさも光った。
今回侍ジャパンに招集された捕手は4人だが、来春のWBCでは3人態勢を想定する。井端監督もうれしい悲鳴を上げるほど全員が持ち味を見せた。中村は4回1死一塁で、代打で好機拡大の左翼線二塁打。6回からマスクをかぶった若月も8回にチーム10点目の右前適時打を放った。
「個人個人でアピールというところでやってますけど、今いる4人でいろんな話をしながら。一番はやっぱりチームが勝つということ、3月に向かってやっている」と坂本。バトルは熱いが、絆は強い。【磯綾乃】