日本野球機構(NPB)と日本高野連は16日、東京ドームで未就学児を対象とした普及活動「キッズファーストアクションin東京ドーム」を初めて共同開催した。参加したのは東京都高野連所属の9校380人の高校球児と、プロ野球OB9人、そして未就学児350人。ボール遊びや簡易野球を通じて、野球の裾野拡大と子どもの健全育成を目指す取り組みで、NPBと高野連が継続的授業で連携するのは初となる。会場には高野連の宝馨会長(68)、NPBの榊原定征コミッショナー(83)、王貞治氏(85)も姿を見せた。
王氏は、長年「アマとプロの壁」が指摘されてきた野球界において、今回の企画が持つ象徴的な意味を強調した。「プロ野球と高校野球がひとつになってこういう催しができるなんて、私たちが若い頃には考えられなかった。昔は距離を感じる組織だったが、こうして力を合わせて将来の野球少年少女を育てようという企画が実現したことは本当に嬉しい」と語り、普及の歩みが新たな段階に入ったとの認識を示した。
子どもたちが高校生のサポートを受けながら初めてボール遊びに挑戦する姿に、温かいまなざしを向けた。「最初は取れなくて当たり前。今日はスタートなんです。お父さんお母さんに見守られながら、思い切って楽しんでほしい」と話した。「野球を通じて体が強くなったり仲間ができたりする。その経験が必ずプラスになる。この中から将来の甲子園球児やプロ野球選手、第2の大谷翔平君のような選手が誕生するかもしれない」と期待を込めた。
さらに、プロと高校野球の関係改善について「これは野球界にとって雪解けでありチャンス。組織の縦の線はあっても横の交流がなかなか進まなかったが、今年は元年と言えるほど前向きな動きが出てきた」と評価。「1回目より2回目、2回目より3回目と発展させていきたい」と次世代へとバトンを渡していくことの重要性を強調した。
視察した日大三の小倉全由元監督(68)は「高校生にとってもいい機会。子供たちに教えるこで勉強になるし、野球の原点を思い出すでしょう」と双方のメリットを口にした。