【阪神】移籍の井上広大は天性の大砲 小5でアーチに魅了され、今は大胆挑戦いとわない職人肌

契約更改を終え、取材に応じる阪神井上(撮影・前田充)

<とっておきメモ>

現役ドラフトでロッテへの移籍が決まった阪神井上広大外野手(24)は生粋のホームランバッターだ。練習で放つ高角度の軌道は、佐藤輝とも森下とも違う独特なもの。本物の“アーチスト”だとワクワクする。

記者が初めて会ったのは履正社時代。本塁打の魅力を聞くと、目を輝かせて話が止まらなくなった。小学5年の時に高々と打ち上げた打球を放ち、魔力に取りつかれたという。数カ月後、甲子園決勝で星稜・奥川(現ヤクルト)からバックスクリーンに放り込んだ。

研究熱心さにも驚かされる。昨年は突然、完全なるノーステップの打ち方に改造。不格好にも映ったが、プロ初アーチを含む3本塁打を放った。2軍戦でソフトバンク(当時)のサブマリン高橋礼の直球に差し込まれたことで決断。大胆な挑戦をものにして、1軍投手にも対応できるようになった。並外れたパワーがあるため、100%の力を入れなくても飛距離が落ちることはなかった。確実性を優先したことが奏功した。

2軍でも映像を何度も見て研究するほど、打撃にはストイックに向き合う。豪快に見えるが、職人タイプという印象。初見の投手が多いパ・リーグでも対応できる資質はきっとある。【遊軍=柏原誠】