FAで西武に加入した桑原将志外野手(32)はねっとりと勝利に絡みつく。
26日、3週間近い千葉・館山での合同自主トレを終え、東京湾を渡った。「関東のハワイ、って呼ばれるくらい温暖ですし、日焼けしました」と小麦色の表情に白い歯を輝かせた。
新鮮な魚介も有名な館山で、近年話題になっているのがバナナだ。市内の「バナナ問屋 佐藤商店」は青果店ではなく、全国的にも珍しいバナナ専門店。館山でもう14年間、オフの自主トレを行う桑原も「差し入れでたまにくださる方がいるんですよ」とその美味を知る。自主トレ最終日も黄色い房がベンチで猛練習を見守った。
一点突破の専門店のように、あらためて桑原の唯一無二の“売り”は何か。「僕は不器用なんで。才能はないし『負けたくない、何とかしてやる』の一心でここまで来た。そこが売りだし、そこでしか勝負できない」という。実績や実力はもちろん、西武球団はその強い心にひかれて桑原獲得に乗り出した。「今年は館山のバナナみたいに粘り気を。粘り強いプレーでいきます!」。32歳、まだまだ伸びる。完熟手前の房を手に、高らかに宣言した。【金子真仁】