【阪神】ドラ1立石正広、プロ1号は逆転満弾 森下級勝負強さへ技術磨く 守備解禁で1軍も視野

阪神対オリックス 3回裏阪神1死満塁、立石は逆転満塁本塁打を放つ(撮影・上田博志)

<ファーム・リーグ西地区:阪神13-4オリックス>◇19日◇SGL

阪神の黄金ルーキーが衝撃の1号を決めた。ドラフト1位の立石正広内野手(22=創価大)がファーム・リーグ西地区オリックス戦(SGL)に「5番DH」で出場。1点を追う3回、1死満塁で左翼へ公式戦初本塁打を放った。

“プロ1号”が逆転満塁弾。右脚肉離れの影響で出遅れたが、豪快アーチでファンの度肝を抜いた。近日中にファームで守備解禁の見込み。いよいよ1軍デビューが見えてくる。

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左翼へ高々と上がった放物線に、観客1789人のどよめきが響いた。1点を追う3回。1死満塁で立石に打順が回った。オリックスの高卒2年目、山口の甘く入った144キロ直球を強振。打った瞬間確信の1発は、新スター誕生を予感させた。試合後の選手インタビューでマイクを握ると、初々しく笑みを浮かべた。

「今日も寒い中、応援ありがとうございました。無事昨日(大学を)卒業できました。これからもこういうゲームを増やせるように頑張っていきます」

休む間もなく試合に出場した。前日18日、約500キロ離れた東京・八王子市内の創価大キャンパスで卒業式に出席。仲間たちと談笑していた大学生は、一夜にして鋭い目つきに変わっていた。ぐんぐんと伸びた打球はまさにロマン。平田2軍監督もそのスター性に目を細めた。

「素晴らしいね。やっぱりそういうものを持っているんだよ。勝負強さといい、そこで満塁ホームランだもん。タイムリーとかじゃなくてな。そういうところはさすがだよ。やはり雰囲気あるよね」

1発で流れを変える勝負強さは、兄貴分の森下に重なる。WBC準々決勝のベネズエラ戦で一時勝ち越し3ランを放った森下から極意を学ぼうと、「勝負強いというのはメンタルもあると思うんですけど、やっぱり技術面が大きいと思う。『チャンスに強い』とかそういう言葉だけで片付けないように」と語っていた立石。技術に裏付けされた勝負強さを手に入れるべく、まだまだ鍛え上げる。

3球団競合ドラ1が早くも打撃センスを発揮。1月の新人合同自主トレで右脚の肉離れを発症し、春季キャンプは別メニュー調整を続けた。17日のオリックス戦で実戦デビューすると、初打席初安打。2戦目で本塁打をマークした。ここまで2試合はDHで出場も、20日からの2軍ソフトバンク3連戦(タマスタ筑後)では守備に就くとみられる。完全復活は間近。天性のアーチストが伝説を築き上げる。【村松万里子】

<阪神立石の経過>

◆1月17日 新人合同自主トレのベースランニング中に下肢の張りを訴え、同19日に大阪府内の病院で右脚の肉離れと診断された。

◆2月1日 春季キャンプは具志川スタート。別メニュー調整も室内でティー打撃を初めて見た平田2軍監督は「パワフルなスイング。森下の入ってきた時と感じがよく似ているよ」とうなった。

◆同6日 初の屋外ティー打撃。和田ヘッドコーチから報告を受けた藤川監督は「動けてはいますけど、ペースは上げない」と焦らせない方針を強調した。

◆同9日 別メニューながら宜野座キャンプに初合流。主力中心の宜野座組の空気を学ばせるために呼び寄せた。

◆12日 宜野座キャンプで初の屋外ロングティー打撃。一塁側のベンチ前から28スイングで19本の柵越えを放った。

◆同24日 再び具志川に移動し、ランチタイムの屋外打撃で通常よりも近距離で打つショートゲームで柵越えを披露。

◆3月8日 1軍の巨人とのオープン戦(甲子園)でベンチ登録。出場させない前提ながら異例の英才教育を受けた。

◆同14日 2軍施設のSGLで初の実戦形式の打撃練習。シート打撃では門別から三塁線を襲う左前打。ライブBPでは小川から14スイングで2本の柵越えを放った。

◆同17日 ファーム・リーグ西地区のオリックス戦(SGL)で実戦デビュー。初打席で左前に初安打を放った。

◆同18日 東京・八王子市内の創価大キャンパスで卒業式に出席。

◆同19日 卒業式の翌日だったが2軍オリックス戦(SGL)に出場。公式戦1号となる満塁本塁打を放った。