<巨人3-1阪神>◇27日◇東京ドーム
巨人が昨季王者に価値ある白星を挙げた。球団新人では64年ぶりに開幕投手を任された竹丸和幸投手(24)が、6回79球3安打1失点。球団史上初めて新人として開幕戦で勝利を刻んだ。新人ばなれした投球をみせた竹丸の素顔とは?
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新人ながら表情を全く崩さず、淡々と腕を振る竹丸。プレー以外でも「あのままです。ひょうひょうとしていて、口数も少ないタイプ」と学生時代の恩師たちは、口をそろえる。
そんな左腕に野球が好きかと尋ねると「始めた時は好きでしたけど(今は)別に好きでやっているわけでもない。成り行きですね、流れで。とりあえず野球で進学、就職みたいな感じで」とあっさりしていた。
なんとなく続いた野球人生だが、ブレない芯の強さは貫いてきた。小学生では、故意四球の提案をマウンドで拒否。中学では監督に指示された登板に、調子の良くない日は「やめておきます」と断ることも。崇徳時代は、マネジャー転向を打診されたが「やりたくないので、やらないです」ときっぱり。常に意思を曲げずに歩んできた。
その姿勢が自覚へと変化した。中学から控え投手だったが、鷺宮製作所入社後はエースに。「このチームで都市対抗に行きたい」と目標を口にし続けた。2年目に有言実行。誰もが認める絶対的な存在となった。
昨秋のドラフト指名後、社会人最終登板となった日本選手権。1点リードで救援登板したが、9回に逆転打を許し敗戦。「試合をつぶしてしまって、すみませんでした」とミーティングでは思わず涙。「いきなり終わってしまった」とマウンドでは変わらなかった表情が崩れた。
「お互い頑張りましょう」と言葉を残し、旅立ってから約4カ月。初登板で快挙を成し遂げ、お立ち台では「めっちゃうれしい」と珍しく口元が緩んだ。プロの世界で歩み出した背番号21は、マウンドでポーカーフェースを守りながら、ファンに笑顔を届けていく。【北村健龍】
◆竹丸和幸(たけまる・かずゆき)2002年(平14)2月26日、広島市生まれ。小学2年から軟式野球を始め、中学時代は広島スターズ所属。崇徳では2年秋からベンチ入り。甲子園出場はなし。城西大では4年秋に1部リーグデビューを果たし、防御率1・52(リーグ2位)の好成績。卒業後は鷺宮製作所に入社し、1年目から先発で公式戦出場。25年3月のJABA東京大会で初優勝に貢献。同年ドラフト1位で巨人入り。契約金1億円、年俸1600万円(金額は推定)。179センチ、76キロ。左投げ左打ち。背番号21。