開幕5連勝で見えたヤクルト“池山野球”の形とは 先発早め交代、犠打なし、好循環生む選手起用

ヤクルト対広島 試合を見つめるヤクルト池山監督(撮影・野上伸悟)

<ヤクルト2-1広島>◇2日◇神宮

ヤクルト池山隆寛新監督(60)が球団新人監督最長の開幕5連勝を果たした。5試合は“池山野球”の形が見えるようなシーンが節々にあった。

スタメンに負けじと途中出場選手も結果を残している。“代打の切り札”宮本は29日に逆転のきっかけをつくる左前打。開幕スタメンで1安打も3三振だった赤羽もその後、途中出場でで2打席連続安打をマークした。

松元ヘッドコーチ 1打席にかけて活躍すればレギュラーをとれる、次に出られることもある。そこでみんないい集中をしている。

オープン戦8打点で開幕戦逆転2ランの伊藤は5試合連続スタメンで、サヨナラ打。2軍で故障明けの塩見や内山が状態を上げ、山田らがリハビリ中だ。実績ある選手が2軍で活躍→1軍メンバーが刺激を受けてもらったチャンスで結果を残す→使ってもらいさらに奮起するなどで勝利、の好循環があるように見える。

犠打がここまで12球団唯一ない。池山監督は「基本的には打ち勝ちたい。より接戦になったら使うかもしれないが今のところは使う場面がない。27アウトで考えている」と説明。アウトを1つ与えて進塁して点が入る確率を考え、3月28、29日は無死一、二塁から打たせ決勝点につながった。

走塁意識も高い。岩田はともに2死で29日に相手落球で一塁から、31日は送球ミスで二塁から本塁生還。この日は二盗成功直後にサヨナラのホームを踏んだ。松元ヘッドコーチは「ヒット1本で1点とかなしで1点とか。足速い遅い関係なくみんなその意識でやっている」。長打を期待する選手がケガで1軍に少ない中、凡事徹底や足を絡めた攻撃で白星をつかんでいる。

追いつかれる前に先発投手をかえる。開幕戦3月27日DeNA戦は吉村を6回に1点差になった直後に交代。同28、29日もピンチを招いた次の回の頭から山野、高梨を降ろした。31日広島戦では6点差でも球数等を鑑みて2死満塁で小川が降板。同戦は直後清水が3点適時二塁打を浴び、翌日「清水には申し訳ないことをした」と池山監督らしく自責の念を話したが、その後ズルズルいかなかった。

松元ヘッドコーチも先発を「粘っている」とたたえ「打順を見て準備させ監督の思いきった交代もある」。救援陣が安定しているからこその決断がいい方向に出ている。「監督はハッキリしているところがある。(選手は)それができなかったら良くない。今のところ選手たちもしっかり理解している」。チームを盛り上げ声はかすれ気味ながらも、サヨナラ勝利前は笑顔でリアクションを見せていた池山監督。思い切った采配が好影響だ。【塚本光】