<広島1-2巨人>◇8日◇マツダスタジアム
巨人が最終回の逆転劇で広島を下した。1点ビハインドの9回、先頭トレイ・キャベッジ外野手(28)が左翼越えの二塁打を放ち、無死二塁の好機をつくると、3番泉口友汰内野手(26)が一振りで試合を決めた。広島中崎翔太投手(33)の内角144キロ直球をうまくさばき、右翼ポール際へ。値千金の3号2ランで試合をひっくり返した。
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3月1日のお昼だった。キャンプ最終日の那覇・セルラースタジアム。いつもの場所に泉口はいた。ファンがサインをもらうために列を作るエリア。午前の練習で長い1カ月を打ち上げた後も、キャンプ中にお決まりとなったファンサービスを行う姿があった。
競うものでもなく、他選手も対応はしていた。ただ、いつも泉口の姿が目に付いた。この日も約30分ほど。終えた後に聞いた。「なぜ、ほぼ毎日、サインをし続けたんですか」。軽くほほ笑み、教えてくれた。「キャンプが始まる時に、阿部監督が『ファンに喜んでもらうために』と言っていて」。その言葉の意味を自分なりに考えた上の、毎日サインだったという。
指揮官の言葉は1月31日、キャンプ開始前夜の全体ミーティングだった。「亡くなったミスター(長嶋茂雄終身名誉監督)もずっと『ファンあってのプロ野球』と言っていた。今年は『ファンに喜んでもらうために』ということをもう1回意識して、過ごしてほしい」。聞きながら、泉口は行動を決めた。
昨年はリーグ2位の3割1厘の打率を残し、ベストナインとゴールデングラブ賞の2冠。師匠の岡本がメジャー移籍し、打線の軸として周囲は見るが、本人は謙虚に、愚直に汗を流す。
この日で11試合連続で3番遊撃でスタメン出場。打線を引っ張るが、「(坂本)勇人さんなどの方が大声援もらってますよ。まだまだと思います」と、らしい回答。ただ、この日の1発は、プレーでもファンを大いに喜ばせただろう。【阿部健吾】