【阪神】球団も頭痛めるジェット風船フライング問題 担当者が提案「絶対間に合う」準備方法とは

ジェット風船を飛ばす阪神ファン(2026年4月14日撮影)

<猛虎リポート>

「フライング問題」は解決できるのか? 阪神の本拠地甲子園で、7回表の攻撃前のジェット風船飛ばしが7年ぶりに復活した。しかし直前のビジターチームの攻撃中に膨らませ始めるファンが続出。球団はプレーへの影響や前が見えなくなった観客からの苦情に頭を痛めている。球団の担当者が提案する“正しい風船の飛ばし方“も紹介したい。【柏原誠】

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阪神球団のスタッフは「7回表」に膨らむ黄色い風船を見ては、ため息をつく毎日だ。5回、6回など複数回にわたってビジョンなどで「膨らますのは7回表終了後」と注意喚起がなされているが、気の早いファンはどこ吹く風でフライング。再開初日だった7日から毎回増えているようにも見える。

関係者は「結構、ご意見がきています」とつぶやいた。試合をしっかり見たいのに、前の人が風船を膨らませるから見えない、という苦情が大半。さらに、複数の選手からも「膨らませたり割れる音が気になる」と、少なからずも集中力、プレーに影響を及ぼしているとの声が上がっている。

新型コロナ前の19年までは口で膨らますタイプだったため、衛生面の苦情が多かったが、今回は専用ポンプを採用。衛生面では納得しているファンが多いという。中止以前も7回表に膨らませる観客が多く、投手が失点すればわざと飛ばして怒りを示す虎党もいた。しかし時代は変わっている。誰もが楽しめる最適な方法を探らなければならない。

「7回表終了後」に膨らまし始めるのがルール。ただ、それだと時間が足りない…と主張したい思いもあるだろう。7回表にビジターの攻撃が終わると、ほどなくビジョンに30秒のカウントダウンが表示される。これは実は「膨らましタイム」。ゼロになるのと同時に飛ばすと勘違いしている観客は多いが、球団はゼロのあとに風船飛ばしの演出を始める意味でカウントダウンを表示している。7回表の3アウト目から風船を手放すまでの時間は、おおよそ45秒プラスアルファとされている。十分なのか足りないのかは、未経験の記者にははっきり分からない。

そこで、メジャーのような「セブンス・イニング・ストレッチ」の導入を提案したい。7回表終了後、長時間の観戦で固まった体をほぐすために全員が起立して「私を野球場に連れてって」を大合唱している。100年以上も親しまれている名物演出だ。こうした特別な時間をつくって、風船を膨らませる時間にあてては…。

だが、そんな単純ではなかった。球界関係者によるとスピードアップを促すNPBの方針もあって、イニング間をこれ以上空けることは難しいという。グラウンドに落ちた風船を回収する時間や、選手交代のアナウンスの時間も必要。時間には想像以上にシビアだった。

では、どうすればいいのか。試行錯誤と細かな調整の末に再開にこぎつけたが、今も昔もさまざまな理由で反対派がいる。良いものにするもしないも1人1人のモラルや意識にかかっている。

球団で営業部興行担当を担う阪本三千男氏が「ぜひやってみてください」と“正しいジェット風船の飛ばし方”を教えてくれた。

「7回表の間にポンプに風船をカチッと装着します。2回、3回シュッシュッとやってみて、空気が入ることを確認してください。ここまで準備ができていれば絶対、間に合います。7回表が終わったら一斉に膨らませましょう。みんなの力で、ラッキーセブンを良い演出にしてほしいです」

ジェット風船を愛するファンも、そうでないファンも、納得の名物応援に育ってほしいと願う。

◆阪神のジェット風船演出 阪神では今季、甲子園限定で7年ぶりに再開。7回裏の攻撃開始前に音楽に合わせて一斉に飛ばす。球団指定の専用ポンプ式の風船のみ使用可能。風船2本とポンプのセットは700円で風船だけ4本は400円。口で膨らませることは禁止で、飛沫(ひまつ)対策を徹底。本体は天然ゴム、吹き口はペットボトルキャップを再生。回収ボックスを設置してリサイクルを促している。以前より飛距離を抑えて回収しやすくしている。19年まで販売していた過去の商品は使用できない。ビジターのジェット風船は、各球団指定の風船(各球団公認グッズ)のみ使用できる。