近藤健介選手会会長「ピッチコム」導入へ柔軟な運用求める 初の事務折衝で球界改革案を提示

日本プロ野球選手会・近藤会長(2025年12月8日撮影)

日本プロ野球選手会と日本野球機構(NPB)による事務折衝が20日、都内で行われた。ソフトバンク・近藤健介外野手(32)が新会長就任後、初めて交渉の場に立ち、現場の声を反映した具体的な球界改革案を提示した。

今回の折衝で最も具体的な進展を見せたのが、捕手のサインを電子機器で投手に伝える「ピッチコム」の導入だ。近藤会長は「WBC経験者からも早く導入してほしいという声がある。サイン盗みの疑いも晴れ、連係もスムーズになる」とメリットを強調した。NPB側も前向きな姿勢を見せており、近藤会長は「準備が整った球団から先行して導入してもいいのではないか」と、12球団一斉スタートにこだわらない柔軟な運用を求めた。

一方、投球間隔を制限する「ピッチクロック」については、投手の故障リスクを懸念する声もあり、慎重な姿勢を見せた。「投手の意見をしっかり聞いてみないと。12球団で持ち帰って夏の総会までに意見集約して、NPBと話し合っていきたい」とした。

また近藤会長が重点テーマとして掲げたのが「審判員の待遇改善と評価制度の確立」だ。選手会側は、審判のストライク、ボールの判定が選手の成績や年俸に直結することを強調。「判定の正答率を正当に評価し、対価(給与)に反映させるべき」と訴えた。その評価基準のひとつとして、MLBで導入されている「ABS(自動ボール判定システム=ロボット審判)」についても言及した。選手会の加藤事務局次長は「人の目だけでは評価に限界がある。ABSなどの数値を審判の技術向上や正当な評価に結びつけるべき」と説明した。

初の事務折衝を終えた近藤会長は「選手が先頭に立って交渉し、より魅力ある野球界にしていきたい」と手応えを口にした。