月刊サブロー<1>
今季就任したロッテサブロー監督(49)が、自身の思いや舞台裏などを語る「月刊サブロー!!」をスタートします。月1回連載の第1回は、「育成」と「勝利」の両軸を求める指針、ロッテの未来を見据えた長期的なチーム強化などにスポットを当てます。前年最下位からの巻き返しへ、同じ境遇だった日本ハム新庄剛志監督(54)のチームマネジメントも参考に、5月の反攻に向かいます。次回は来月下旬に掲載します。【取材・構成=前田祐輔、星夏穂】
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昨季6位からの巻き返しを期すシーズン。首位と5・5ゲーム差の6位で開幕1カ月を終えた。
サブロー監督は「難しい。野手のことなら全然大丈夫なんですけど、ピッチャーのこととか、継投。今は慣れてきたけど、判断が鈍る時が結構あって、あかんなと思って、毎日毎日反省してますね」と言う。
開幕投手には球団76年ぶりとなるルーキー毛利を抜てき。周囲からは別の意見があったが、信念を貫いた。
「みんな無難にいきたがる。俺自身ね、逆張りだから。最後のオープン戦、名古屋でめちゃめちゃやられた(5回途中4失点)。次は修正するだろうって、逆に思い切らせてくれた」
毛利の球筋と西武打線の相性。データを重視しながら「現役時代からそうだった」と、常に逆の可能性をイメージ。「勝ったことで周りの人が、がらっと変わった」。
野手は1番藤原、2番西川の上位打線が機能。2軍監督時代から育てた若手を積極的に起用し「育成」と「勝利」を追う。
「もちろん勝たなきゃいけないけど、比率的には育てる部分の方が大きいかもしれない。野手はファームの時から数年後には、よそに負けない野手になるやろっていうのがある。いっぺんにはできないんで。まずピッチャーを最初に立て直そうと思ってます。数年前のオリックスの勝ち方がベスト。育てながら勝つ。要所要所に若手を入れて、その子たちが上がってきて3連覇。あれが理想ですね」
そのためには「経験させる。それしかない」と言う。同じく前年最下位から就任した日本ハム新庄監督のチームづくりとも重ね合わせる。
「すごいと思う。名監督だと思う。境遇も似てると思ってるので1年目の。参考にしてるし、いろいろ聞くこともあります」
試合前、メンバー表の交換時には短い言葉を交わす。
「『今日打順変えてきたね』とか。この前言われたのは『1年目しか思い切ってできないよ』って。『時間かかるよね』とか『それ分かる』みたいな感じ」
チームの未来を見据えながらの勝負。常勝チームになるまでの時間は。
「2、3年後かな。近い将来、今のピッチャーも野手も年齢的に脂が乗っているころかなと思います」
そのための覚悟がある。
「うちって2005年優勝して、2010年に日本一になったけど、勝ったらゼロに戻す歴史を、俺が現役の時代は続けていた。優勝したら選手が出ていって、ゼロからまたスタート。弱くなって、まただんだん強くなって。今の社長ともずっと強いチームを、長年強いチームを作りたいっていう方針で一致している。将来的にAクラスでずっと優勝争いできるようなチームをつくりましょうって」
ロッテ生え抜き監督の誕生は14年ぶり。育成方針や補強策など、球団のフロントとも積極的にコミュニケーションを図る。
「外国人に頼らないと、まだ若い選手が多いから、そういう補強はしてほしいけど。フロントから用意された材料をどう料理するか。外国人には特に気を使いながら、ソトやポランコをどう復活させようとか、そういう発想になる」
試合前には、一塁側ベンチ前で多くの選手と言葉を交わす。「ソトには一番お金使ってる」と笑う、サブロー監督流のコミュニケーション術がある。
◆3、4月のロッテ 10勝14敗でAクラスまで2ゲーム差。開幕戦でルーキー毛利が勝利するなど連勝スタートを切ったが、4日から5連敗。先発投手には1日以降白星がついていない。WBC日本代表の種市は26日に左足アキレス腱(けん)断裂だったことが発表され、今季中の復帰が絶望的になった。守護神の横山は6セーブと安定。打線は1番藤原が3割1分9厘、2番西川が3割1分6厘と高打率をキープ。25日は8番佐藤が2発を放つなど、友杉、小川ら好調の下位打線が上位につなぐ。
◆サブロー(大村三郎=おおむら・さぶろう)1976年(昭51)6月1日、岡山市生まれ。PL学園から94年ドラフト1位でロッテ入団。05、07年ゴールデングラブ賞。11年6月に巨人へトレード移籍も、同年オフにFA宣言しロッテ復帰。16年限りで現役引退。通算1782試合、127本塁打、655打点、打率2割6分5厘。引退後は楽天ファームディレクターなどを務め、23年からロッテ2軍監督。25年6月に1軍ヘッドコーチへ配置転換され、26年から1軍監督を務める。181センチ、90キロ。右投げ右打ち。