【とっておきメモ】「野球は楽しかったからやっている」阪神立石正広が愚直に続けた“メモの魔力”

阪神対中日 2回裏阪神無死、プロ初安打を放った立石正広はガッツポーズをする(撮影・上田博志)

<阪神4-2中日>◇19日◇倉敷

阪神ドラフト1位の立石正広内野手(22)が、1軍デビュー戦でプロ初安打を放った。「6番左翼」でスタメン出場。2回先頭の第1打席、中日金丸の初球ストレートを中前に弾き返した。

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創価大4年時の立石の純粋な素顔を垣間見たことがあった。昨春のリーグ戦が佳境を迎えた5月、創価大グラウンドで野球人生の原点を尋ねた時だ。「一番はやっぱり、『野球は楽しかったからやっている』というのを忘れないようにしたいです」と力を込めた。

遊びの延長線上だった野球がいつしか変わる。高校、大学と高いレベルへ進むにつれ、目先の数字や評価が嫌でも入ってくる。「リーグ戦で打てても『プロに行くためにはもっと打たなきゃ』とか、数字のことばかり考え出しちゃう。でも、そうなると何のために野球をやってたんだとなるじゃないですか。周りからは『そんな楽しいだけじゃないよ』と言われるかもしれないですけど、ホームランを打ったときのうれしさ、ファインプレーの喜びは、しっかり忘れないようにしたいんです」と訴えた。

楽しく野球をするための努力は怠らない。持ち味の打撃では改良を重ねた。2年春に打撃3冠に輝いた当時は来た球を逆らわずに打ち返す「感覚派」だったが、配球を読む「思考派」へと切り替わった。「誰もが考えるシンプルなことですけど、右バッターの自分に対して相手が何の球で一番カウントを取っているのか、2ボールから何を投げてくるのか。頭を使わないと、これからのステージではダメです」と己の課題と徹底的に向き合った。

毎日の練習で感じたことをタブレットのメモ帳に書き留めるようになり、バッティング練習で出た課題やミスショットの原因を自分なりに分析した。遠征帰りのバス車内でも、寮でご飯を食べている時でも、寝る前のひと時でも欠かさない。周囲から「野球以外は結構大雑把」と評される立石が愚直にやり続けた“メモの魔力”がデビュー戦初安打につながったとしたら、これほど楽しいことはない。【アマ野球担当=平山連】

◆立石正広(たていし・まさひろ)2003年(平15)11月1日生まれ、山口県防府市出身。華浦小1年時から華浦スポーツ少年団で野球を始める。高川学園で3年夏に甲子園出場。創価大では1年秋からレギュラー。2年春にリーグ三冠王、4年春には本塁打と打点の2冠でMVP。大学日本代表では3年時から4番。25年ドラフト1位で阪神入団。今季推定年俸1600万円。180センチ、87キロ。右投げ右打ち。

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