<東都大学野球:国学院大6-1青学大>◇第5週第2日◇20日◇神宮
国学院大が、青学大のリーグ初の7連覇を阻止し、勝ち点5の完全優勝で7季ぶり5回目の優勝を決めた。スローガンに掲げた「新国学院」が結実した。本塁打を軸とした“個”の力を結集し、リーグのシーズン最多記録となる21本塁打を量産。強打の国学院大をつくり上げ、頂点をつかんだ。立正大は亜大に勝って1勝1敗とし、勝率で4位が確定。最下位争いは東洋大と中大に絞られた。
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今季の国学院大らしい勝利だった。5回、1死満塁から田井志門外野手(4年=大阪桐蔭)の右前2点適時打で先制。さらに1死満塁から、石野蓮授外野手(3年=報徳学園)の今季5号となる左越え満塁本塁打が飛び出した。リーグのシーズン最多本塁打記録を21本に伸ばし、試合を締めくくった。今年、スローガンに掲げた「新国学院」が結実。6連覇中の王者打倒へ、選手たちは一からチームを見つめ直した。
個々の力を磨いた。この冬、赤堀颯主将(4年=聖光学院)はミーティングでこんな話をした。「打線を“じゃんけん”に例えよう。相手がパーを出した時に全員がグーだと負ける。それが今までのチームだった。でも今はチョキもパーもいる。グーで負けてもチョキがなんとかする。個性を生かした打撃をしよう」。自主練習が増え、それぞれ個々の力を磨いた。
しかしオープン戦は7勝6敗。開幕戦でも中大に敗れると「本当に俺たちは弱いと自覚した。カッコつけず、泥臭く食らいついていこうと気づけた」と赤堀主将。立ち位置を冷静に見つめ、劣勢でも1歩も引かず。攻めの姿勢を崩さず、個の力で勝利を引き寄せた。
指導者も考え方を変えた。14試合中、13試合で本塁打を重ねた。そのベースとして、真っすぐに絶対に刺されないタイミングを徹底。スイングの始動を早くし、バットを短く持ち、ポイントを前に置く。本塁打の方法論はアドバイスするが、取り入れるかどうかは個々に任せた。鳥山泰孝監督(50)は「長年、低めのボール球、ゾーン外の球に手を出すな、と言ってきましたが、今は『2ストライク目までは空振りしても気にするな。真っすぐを狙っての空振りは全然いい』という考え方に変えたんです」。本塁打を量産した半面、三振は125。「それだけフルスイングさせている。当たれば強い、ということです」と、その理由を明かした。
最後まで「新国学院」を体現した。次は6月8日に開幕する大学野球選手権へ。全国の舞台で、再びその力を発揮する。【保坂淑子】