<パドレス0-4ドジャース>◇20日(日本時間21日)◇ペトコパーク
【サンディエゴ(米カリフォルニア州)20日(日本時間21日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(31)が、二刀流らしさ全開のパフォーマンスで快勝に導いた。パドレス戦に「1番DH」で出場し、第1打席の1球目に中越えの8号ソロ本塁打を放った。先発投手が先頭打者アーチを放つのは、レギュラーシーズンでは史上初。4登板ぶりのリアル二刀流で注目される中、雑音をかき消した。投手では88球を投げ、5回3安打無失点。防御率0・73とし、今季4勝目を挙げた。
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大谷の88球目に“あの時の光景”が浮かび上がった。5回1死満塁、3点リードだったが、長打を浴びれば同点となる流れの変わり目。初球のスライダー系はおそらく狙われていた。大谷は横曲がりのスイーパーを外角のボールゾーンへギリギリで外し、右の好打者タティスは引っ張るしかなかった。遊ゴロ併殺。最大のピンチを脱した。
前年の課題を、確実にクリアしていく。大谷らしい、象徴的なシーンだった。25年11月1日、3勝3敗のタイで迎えたブルージェイズとのワールドシリーズ(WS)第7戦。決戦の舞台で先発マウンドに上がったが、存分に力を発揮できないまま無念の降板となった。3回1死一、三塁、右打者ビシェット(現メッツ)に痛恨の先制3ランを浴びた。初球はスライダー。真ん中に甘く入った失投だった。大谷がひざをついて悔やむ姿は、極めて珍しかった。
あの時の1球と比べ、この日はボール2~3個分、外へ逃げるベストボールだった。マクギネス投手コーチ補佐は「去年のあの場面は、縦変化のスライダーで制球ミスをしてしまった。今回は横に曲がるスイーパーで球種が違うけど、制球が大きく改善された」と高評価。勝負を決する状況で感情をむき出しに、ほえた。一方で大谷自身は、「結果的にダブルプレーになりましたけど、その前の四球がやっぱり一番良くなかった」と冷静に振り返った。
悔いを残したWSの登板では、同じようにしっくりこない投球から3ランを浴びた。この日はタティスの不調も大きな要因だったが、苦しむ中でベストボールを投げきって、失点を防いだ。あの1球に、前年から確実に前進した投手大谷の姿が見えた。【斎藤庸裕】