日本プロフェッショナル野球組織の中村勝彦事務局長(59)は22日、フリーエージェント(FA)制度における「人的補償(協約上の名称は選手による補償)」の撤廃と、それに伴う代替案について、現在協議中であることを明かした。
「プロ野球選手会からの要望を踏まえ、選手による補償の撤廃や、ドラフト指名権をその補償対象に含めるかどうかの大枠の議論については以前から行っていた」と話した。今後の見通しについて「最終的にプロ野球側の案としてまとめて選手会と話していかなきゃいけない。年内には対応したい」とし、本年度中の合意を目指して議論を加速させる方針を示した。
ドラフト指名権を含めさまざまな代替案を検討中で、球団間の公平な新ルール構築を目指す考えを示した。
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本格的な議論が始まったFAの「人的補償」撤廃について、代替案の候補のひとつとして、ドラフトでの「特別指名権」がある。一見、合理的な着地点に見えるが、指名順を巡っては12球団に大きな隔たりがあるという。球界関係者によると、FA市場における「選手の移籍を活性化させたい球団」は代替となるドラフト指名権をハードルが低い「下位」に設定することを望む一方、「自球団の選手を流出させたくない球団」は「上位」での補償を希望している。「12球団の足並みはそろっていない」と明かした。
そもそも選手会側が人的補償の撤廃を強く求めている背景には、現行制度が「FA権の行使を阻害する要因になっている」という問題意識がある。A、Bランクの選手を獲得すると、金銭、または金銭プラス28人のプロテクトから外れた選手を1人差し出さなければならない。「人的補償が発生するなら獲得をやめておこう」と二の足を踏むケースがあり、選手が長年働いて勝ち取ったFA権を行使する障壁になっているという。
ドラフト代替案を含めた複数の選択肢の中から、NPB、選手会が納得できる物差しを見つけなければならない。水面下でのタフな交渉が続くことになる。【NPB担当=鳥谷越直子】