<日本生命セ・パ交流戦:巨人5-4オリックス>◇3日◇東京ドーム
巨人長嶋茂雄終身名誉監督の一周忌にあたる3日、「日本生命セ・パ交流戦」のオリックス戦(東京ドーム)が「FOR3VER 6・3~長嶋茂雄~」と題して行われた。選手らが左袖に特別ロゴワッペンを付けたユニホームを着用し、「長嶋茂雄はなぜスーパースターなのか」をゆかりの人々が回答する特別演出が施された。試合は先発戸郷翔征投手(26)が2回に初の危険球で退場する展開も8回、丸佳浩外野手(37)が代打逆転満塁本塁打を放ち、記念試合を勝利で飾った。
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あれから1年。東京ドームにいてもいなくても、誰もが「ミスタープロ野球」の姿を思い返す日に、愛した本拠地に、愛した「3」の文字があふれた。「ありがとう!」「みんなが愛した」。スタンドのファンのボードが揺れた。
長嶋さんは昨年の6月3日午前6時39分、肺炎のため都内の病院で89歳で死去した。戦後の復興期から高度経済成長時代の日本を照らし、巨人の監督としても5度のリーグ優勝、2度の日本一に輝いた。04年に病に倒れてからも野球界に貢献し、隆盛をもたらした最大の功労者だった。
命日を皆で。選手もファンも、球団も問わず、思いをはせる日。「FOR3EVER」の「3」を左右反転して「E」とすれば「永久」になる。ON砲としてプロ野球界を引っ張ったソフトバンク王会長はこの日、語った。「野球界にとってどれほど特別な存在であったか、ますますその思いが強くなります。これからも日本野球界を見守り続けていただきたい」。
後輩たちも同じ気持ちだった。この日先発した戸郷は前日2日、故人の「巨人は勝たなきゃいけない」という言葉を胸に、「長嶋さんの日、そういう試合があると特に僕らは強く思い出します。『本当に明日勝ちたい』とチーム全員が思っている」と代弁していた。
勝ってファンを喜ばせる。使命感に満ちた今季5度目の登板は、2回にオリックス紅林の頭部への死球で、自身初の危険球退場となった。特別な試合で、まさかの展開。唇を強くかんで、無情な降板となった。球場にも動揺が広がった。
ただ、もし長嶋氏がこの場面を見ていたら、きっとこう言うだろう。「成功は失敗のマザー」。独特な言い回しで、聞くものを明るくさせる。それも魅力だった。監督初年度75年の最下位から奇跡のリーグ優勝を果たしたのは76年。その翌年の開幕を控えての抱負で飛び出した語録だった。
一周忌の失意深い失敗も、ミスターなら温かく見守っている。そして、明日も野球は続いていく。