【巨人】「諦めるな!」丸佳浩には聞こえていた「長嶋さんが打たせてくれた」確信の代打逆転満弾

交流戦 巨人対オリックス 試合後、お立ち台で写真に納まる巨人丸佳浩(撮影・江口和貴)

<日本生命セ・パ交流戦:巨人5-4オリックス>◇3日◇東京ドーム

ミスターが打たせてくれた-。巨人長嶋茂雄終身名誉監督の一周忌にあたる3日、「日本生命セ・パ交流戦」のオリックス戦(東京ドーム)を「FOR3VER 6・3~長嶋茂雄~」として開催。3点を追う8回、丸佳浩外野手(37)が代打逆転満塁本塁打を放った。広島から巨人に移籍する18年オフに直筆の手紙をもらい、直接指導も受けた。この世を去って1年。いまも見守ってくれていると信じ、劇的勝利に導いた。

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丸には聞こえていた。「諦めるな!」。ミスターなら何と言うか、どう劣勢に向き合うか-。1人だけではなかった。東京ドームにいた誰もが、日本中で試合を見守った人々が、勝利へ最後まで諦めない「燃える男」を思い返していた。

3点を追う8回、1死から3連打を浴びせて満塁とした。丸が代打で打席に入った。カウント3-2からオリックス椋木の直球を捉えた。「いったかな」。長嶋さんの「3」のユニホームが飾られる右中間席への確信弾。さらに、もう1つ、確信があった。「長嶋さんが打たせてくれたホームランだと僕は信じています。感謝したいです」。

恩は一生忘れない。18年、広島に残留か移籍かの決断に揺れた中で1通の手紙が届いた。「一緒に野球ができたらうれしい」。地元千葉の先輩であり、幼少期の東京ドーム初観戦時の巨人監督だった長嶋さんからの熱い“恋文”に移籍を決断した。不調で苦しむ中、「夢のような時間だった」と直々の打撃指導をされたことも。この日も教えを思い返し、試合に臨んでいた。「誰も触れられない所に置いてあります」と手紙は自宅で大切に保管する。

お立ち台では「今日も本当に最後までたくさんのご声援、本当にありがとうございました」と、何よりもファンを第一にした故人と同じように手を振った。球団職員が「今日は333人です」と意気に計算したファンとハイタッチした。場内を一周し終え、「3」が掲げられた右翼席に深々と一礼した。

昨年6月8日、長嶋さんの棺を乗せた車が試合中の東京ドーム場外を一周した。その直後に丸らが本塁打を放った。この日は、選手、指導陣は「永久に不滅です」の名言と背番号をかけた「FOR3VER」のロゴワッペンが付いたユニホームを着用していた。

「本当に偉大な方、目に見えないパワーをすごく持ってらっしゃる方だった。今日、選手だけじゃなく、球場の皆さんも何か違った思いでいたのかな」

不思議だが、確かなことはある。いまもミスターは野球を見守り、野球は続いていく。【阿部健吾】

 

∇巨人ダルベック(7回1死、無失点投球だったオリックス曽谷から反撃ののろしをあげる9号ソロ。長嶋茂雄氏について)「日本の野球界にとって非常に重要な存在っていうのは心得てますので、命日にこうやって打てたのは、自分にとっても非常に大きい意味を持ってます」

∇巨人橋上監督代行(長嶋茂雄氏の一周忌での劇的逆転勝利に)「私もベンチにいながら、鳥肌が立つような感じも受けました。長嶋さんがよくおっしゃっていましたけど、ドラマですよね。なかなかこんなドラマ書きづらいなと。いい形で勝つことができましたのは、ホッとしましたし、良かったなと思います」

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