【大学選手権】中部学院大2年ぶり初戦突破、ドラフト候補の吉倉遼輔6回0封「まっすぐが通用」

全日本大学野球選手権大会 中部学院大対近大工学部 力投する先発の中部学院大・吉倉遼輔(撮影・小島史椰)

<全日本大学野球選手権:中部学院大1-0近大工学部>◇8日◇1回戦◇神宮

中部学院大が近大工学部を1-0で破り、2年ぶりに初戦突破した。

来年のドラフト候補、吉倉遼輔投手(3年)が6回無失点で全国デビュー。最速148キロ直球を武器に7奪三振。「ピンチでも要所で三振が取れた。自分のまっすぐが全国でも通用すると思った」と、神宮の舞台で確かな手応えをつかんだ。

決して本調子ではなかった。この日はあいにくの雨でグラウンド状態が悪かった。「今年の春は雨の中で投げる試合がなかった」と初めての経験に苦しみ、カウントを悪くして四死球から走者を背負う場面も目立った。「リリースのタイミングを合わせるために、バランスとリズムを考えながら投げた」と修正力を発揮。「球速以上に速く見えるのが自分の持ち味。フライアウトが多い時はまっすぐが良い証拠」と、ピンチでは縦回転の伸びのある直球で押し切り、要所を鋭いスライダーで仕留めて無失点に抑えた。

異色の経歴を持つ。不二越工時代はほとんどマウンドに上がらず、3年夏の背番号は「9」。だが、3年春、夏に救援等で登板した際に146キロを計測。「まっすぐの質が良いと言われ、大学では投手1本で頑張ってみようと思った」と、自らの意志で投手の道を選択した。その後、急成長を遂げた右腕は、今春の東海地区大会で自己最速152キロをマークした。

グラウンドを離れると学業にも熱心に取り組む。間宮大貴監督(37)は「とても勉強ができる」と太鼓判を押す。スポーツ健康科学部に所属し、ゼミでは「スポーツバイオメカニクス(生体力学)」を専攻し、自らの投球動作を学術的に研究し、それを自身のパフォーマンスへと昇華させている。

6回無失点で神宮初勝利を挙げたものの、球数121球で降板したことには「3者凡退のイニングが少なく、テンポよく野手に攻撃を回せなかった。納得はいっていない」と悔しがった。「将来の目標はプロ1本」と言い切る右腕が、さらなる進化を誓った。