【記者の目】楽天の吉井新監督就任 J1神戸「ヴィッセル方式」で強化へ データ活用も注力

会見する楽天吉井理人新監督(撮影・滝沢徹郎)

最強球団に-。楽天は17日、昨季までロッテ監督を務めた吉井理人氏(61)が新監督に就任すると発表し、仙台市内で三木谷浩史オーナー(61)が同席して就任会見を行った。背番号は「81」。契約年数、年俸はともに非公開だが、複数年契約とみられる。チームは借金17の最下位に低迷し、交流戦も最下位で終えた。休養中となっていた三木肇監督(49)が退団し、塩川達也監督代行(43)がヘッドコーチ、真喜志康永チーフコーチ(66)が育成総合コーチに復任する。

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三木谷オーナーの発言から楽天を「ヴィッセル方式」で強化していく強い意思を感じた。J1神戸でもオーナーを務める同氏は「ヴィッセル神戸も2度の降格を経験するなど本当に苦しい時期はあったんですけど、この4年間で3回の日本一になると、ACL(アジアチャンピオンズリーグ)も準優勝まで進み、本当に強豪チームに進化していった」。弱者から強者に変貌(へんぼう)を遂げたことを引き合いに出した。

今季の「J1百年構想リーグ」も制した神戸は、データを重視した強化戦略で国内トップクラブに成長した。近年、楽天でもデータ活用に注力。球の回転数、打球の飛距離などを計測する弾道測定器の「トラックマン」、実際の投手が投げる球速、球種、変化量などを再現できる最新鋭の打撃練習用マシン「トラジェクトアーク」を他球団に先駆け導入するなどしてきた。

筑波大大学院でコーチング理論を研究し、頭脳派で知られる吉井新監督は「データ野球」を磨く上で、まさに適任といえる。三木谷オーナーは「近代スポーツはどんどんどんどんデータを中心に進化していると思うんですが、データを戦略に落とし込んでいく、翻訳機能が必要だと思う」。その「通訳」として吉井氏に白羽の矢を立てた形だ。

シーズン途中の監督交代は球界では異例だが、サッカー界では珍しくない。現に22年の神戸は1シーズンで指揮官を3度代え、最終的に強化部スタッフから転身した吉田孝行監督が就任時点の最下位からJ1残留、23年のJ1初優勝、24年の連覇に導いた例がある。

今回の吉井新監督就任も「ヴィッセル方式」の一例。来季まで待たずに半年早く改革に乗り出したと捉えることもできる。チームは最下位に沈むが、成功体験があるサッカー界のプロセスでどこまで巻き返せるのか注目したい。【山田愛斗】