<広島3-7巨人>◇23日◇マツダスタジアム
巨人が昨季2勝10敗と苦しんだマツダスタジアムでカード初戦を制し、再び阪神と並び首位に立った。
先発戸郷翔征投手(26)は個人としても鬼門だったマツダで2年ぶりに勝利した。
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確かにつかんだ。巨人戸郷は5月19日ヤクルト戦(いわき)の直前、データアナリストとの会話で腑(ふ)に落ちた。「急に感覚が戻ってきた」。不調の昨季から感じていた投球フォームへの違和感。解消するためのキーポイントを見つけた。
木村正太データアナリストは、過去と現在の映像を何度も見比べた。浮かび上がってきた違いは「軸足のタメ」だった。力強い球を投げるために軸足でタメをつくる投手が多いなか、戸郷は違った。タメを作らず流れるような投球フォーム。一般的には推奨されない「立ち投げ」の投げ方だったが、打者から見ると「もう投げてくる」という幻惑性が武器だった。ただ、昨年からフォームにタメが生じ、特有の良さが失われていた。
アナリストが伝えるかどうか迷う情報があっても、戸郷は常日頃から「ダメだと思ってもいいからください」と伝える。「なんでも情報をもらって、いろんな方からいろんな情報を聞く」。はっきりと意見を交換できる関係だからこそ、微々たる変化に気づくことができた。
「過去8年の中で、1番の財産」とメモに書き残し、動画も保存。頭にたたき込んだ。通算15試合でわずか4勝と苦手マツダスタジアムのマウンドは硬く、傾斜も少ない。特異なフォームを再現するのが難しいなかで、粘った。「普通の人だったら絶対ダメなところが、僕では正解」。自分だけの武器を2度と忘れることはない。【北村健龍】