西武蛭間拓哉外野手(25)は悔しさを隠さない。
「いやもう、めちゃくちゃ悔しいっす」
悔しいっすけど、と続け「自分がまずは2軍でしっかり結果を出して、いつ呼ばれてもいいようにやるだけで」と前を見る。
群馬県出身ながら前橋開催の試合で1軍にいなかった。母校の浦和学院や早大の応援イベントがあっても、1軍に呼ばれなかった。当然、悔しい。
しかしながら運命は変わりつつある。「5月20日くらい、ですかね」。体の使い方の専門家に会う機会があった。確かに構えに入る時、脇をしめてバットを絞り出すように上げる動作が目立つ。
「今まではバットをこう出そうとか、レベルスイングで、とかばかり考えてたんですけど、もうなんか、そもそも体幹がすごく入るようになって。ビジョントレーニングとかピラティスとか、やっていたことが全部合致しました。やっていたことがなかなか野球の動作に合わなかったんですけど、そこが急に合うようになって。本当にすごく変わりました」
心が晴れ、見事に数字に表れた。蛭間が言う5月20日時点で、ファームでの打率は2割2分9厘だった。それが6月27日時点で3割0分4厘まで上げた。その間、19試合で29安打。無敵に近い数字だった。
ドラフト1位、即戦力として入団しながらここまでの3年間は悔しさに満ちたプロ野球生活に。ようやくインパクトのタイミングに光が差し、あとは一番難しい“タイミング”だ。1軍の打線が下降気味になった6月17日、日本ハム戦(鎌ケ谷)で二塁にヘッドスライディングした際、頭を強打。大事をとって、その後4試合を欠場した。
「こればかりは自分でコントロールできないですけど、本当に1軍でプレーしたい気持ちは強いので。バッティングの状態は今まで一番、自信があります」
だから、やることは一つだけ。
「本当にもう、自分のやるべきことやるだけで。今は打率3割くらいですけど、3割5分目指して。村田(怜音)とそう言い合いながら今、やってます」
いい顔をして話した。【金子真仁】