【西武】3軍で既に10本塁打でも「満足いくまで」振る安藤銀杜 野手経験なかった育成ドラ7

西武安藤銀杜(26年2月撮影)

西武の本拠地ベルーナドームの場外が27日、今季限りで現役引退する栗山巧外野手(42)のサプライズ登場で盛り上がった。“一般参賀”と表現するファンまでいた。

そこから100メートル少々、室内練習場。夕方5時を過ぎてもバットの快音がする。昨秋育成ドラフト7位、安藤銀杜外野手(23=四国IL徳島)がマシン相手に振っていた。この時間、よく1人で打っている。

「満足いくまで打ってます。経験がないんで。とにかく数を振らないと」

大型右腕としてNPBを目指した、身長198センチのスケール豊かな若者を、西武は投手としてではなく打者と指名した。「独立リーグでも打席、立ったことなくて…」。一緒に練習する古川雄大外野手(22)らから「いま何本?」と聞かれた。「10本です」。

球団サイト掲載のスコアを集計すると、3軍戦ここまで40試合で10本塁打、34打点。いずれもチームトップの数字だ。芯を食った時の木製バットは、ワクワクする音色がする。ただ安藤本人は「良かったり悪かったりを繰り返して、少しでもタイミングがずれると全然打てないですし、アウトの内容も悪いので」。だから振る。

若き日の栗山が同じように、1人で黙々と打ったことは安藤も耳にしている。「春のキャンプでもそうでした。栗山さん、映像を見ながらずっと打ってて。僕はそれ以上に練習しないと、長くはできないんだなと思いました」。

だから打つ。時には朝6時半から。「S&C(ストレングス&コンディショニングスタッフ)の赤沢さんが来ていただいて、投げてくださって」。自分流をつかむまでは、誰かにパートナーをお願いして練習の質を上げることも、アスリートとして大事な資質だ。

打った分、しっかり食べる…と思ったら。

「あとちょっとだけ、緩いボール打とうかなと」

隣接のベルーナドームからは、スタメン発表時らしきスタンドの盛り上がりが聞こえてくる夕暮れだった。【金子真仁】