<阪神1-2ヤクルト>◇10日◇甲子園
ヤクルトのドラフト1位ルーキー松下歩叶内野手(23)の左手が白星をたぐり寄せた。1点を追う5回1死二、三塁。山野辺の打球は遊ゴロとなった。三塁走者の松下は本塁へ向かいヘッドスライディング。前進守備だった遊撃手の阪神熊谷もすぐさま本塁に送球した。きわどいタイミングのクロスプレー。一度はアウトの判定がくだされた。
「ノータッチだったので。自信はありました」
松下はセーフを確信していた。すぐに上体を起こすと三塁側の自陣ベンチの方を向き、手を振りアピール。池山隆寛監督(60)は「タッチをされていないという本人の意思表示だと思った」とリクエストした。潜り込むように低い体勢になり、捕手のタッチを少し避けながら左手で本塁を触る“神ヘッスラ”。松下は「真っすぐ(進む)より少し逃げようというところだった」と意図的な動きだった。リプレー検証で判定がくつがえり同点の本塁生還。虎党の悔しそうな声を響かせた。
走ることで参考にしている先輩がいる。それはリーグトップの22盗塁を決めている俊足の岩田。「岩田さんの走塁を見て自分も学びながらいい形で(点を)とれた」。この日は打ってはプロ初の3安打猛打賞。期待のルーキーが足でもバットでも、チームの勝利に貢献していく。【塚本光】
◆松下歩叶(まつした・あゆと)2003年(平15)4月14日、神奈川県南足柄市生まれ。小学1年から野球を始め、6年時にベイスターズジュニア選出。中学時代は静岡裾野リトルシニア所属。桐蔭学園では甲子園出場なし。法大に進み、1年秋からベンチ入り。2年秋は二塁手、3年春秋は三塁手でベストナイン。4年夏の日米大学野球では主将を務め、MVPを獲得。25年ドラフト1位でヤクルト入り。26年5月29日楽天戦でプロ初出場。181センチ、87キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1600万円。