中日吉田聖弥投手(24)は、15日の阪神戦(バンテリンドーム)で8回に登板し、打者4人に1死も取れずに降板した。降板直後にミゲル・サノー内野手(33)の声かけに救われたことを16日の練習後、明らかにした。
元々、ベンチで吉田から少し離れた場所に座っていたサノー。タオルをかぶり、表情が見えないままうつむく吉田に呼びかけたが、駆け寄りだしたサノーが再び声をかけた。「野球をやっていると、こういう時もある。気持ちを切らさずに、このまま前向きでやってくれ」。
サノーは言う。「チームメートですから」。そして、「『吉田だけじゃなくて、どんなピッチャーでもこういう時もあるんだよ』って言ったんです」。チーム内でも中堅~年長者にあたる33歳のサノーはこの半年間、中日ナインの視野の広さに気づかされた。「自分がうまくいかない時、みんながものすごくいい言葉をかけてくれたんです」。普段は若手選手から教わった日本のギャグでじゃれあうムードメーカー。感受性が豊かなサノーならではの、粋な行動だった。
吉田は「言葉が(簡単に)通じない中で、普段から声をかけてくれる。率先して話してくれて、本当にうれしかった。切り替える一つのポイントになりました」。もう一度、「うれしかったです」と続けた。
中継ぎでブレークした2年目左腕。「僕自身(の調子)がいいというよりかは、みんなと一緒に戦って1試合1試合が積み重なっています」。初々しくも、苦しみにとどまらなかった24歳。心を通わせたサノーの励ましで、前を向いた。【中島麗】