【ソフトバンク】“ハイボールの女王”りりさん 柔らかい笑顔で「女性の方も多く買ってくれます」

みずほペイペイドームで行われた「売り子デー」の販売数対決でハイボール部門2年連続売上トップを達成したりりさん(撮影・岩下翔太)

<支えタカとよ>

ソフトバンクを支える人々にスポットライトを当て、随時掲載する「支えタカとよ」。26年シーズン第3回はみずほペイペイドームの売り子さんです。アサヒビールからは今年の売り子デーで2日とも売り上げ1位だった“ハイボールの女王”りりさん、キリンビールは姉の売り子姿に憧れて後を継いだ“赤いラガービール娘”みつきさんです。【石橋隆雄】

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りりさんの右胸には「売り子デー」1位の記念バッジが何個も輝いている。今年の売り子デーは5月12、13日の西武戦。売り子ダービー(売り上げ杯数対決=6回裏までの販売数を集計)で、2日ともハイボール部門トップだった。昨年は4日のうち2日間、24年は3日中2日トップだった。4年目の今年で売り子は卒業予定。ラストイヤーは完全制覇した。

1年目はビールの売り子からスタート。たまに1年目の子がハイボールに回り、固定の売り子がいない状況だった。「私がそこを極めたら、もっと上手に売れたなら、自分の戦略次第で杯数を伸ばせるんじゃないか」。激戦のビールに比べてチャンスが多いと思い、ハイボール専門に転向した。

ビールの売り子は華やか。「売り子カード」にもなれる。それでも、りりさんはハイボールを極めた。「どんどんハイボールの常連さんができまして。そのお客さんたちを最後まで担当したいと思いました」とビールへの思いを断ち切った。

最高で230~240杯を売る。ビールでも200杯超えは、なかなか難しいという。担当販売エリアはバックネット裏から左翼外野席と球場の左半分を売り歩く。「ハイボールはビールよりおなかいっぱいにならない。どんな料理にも合う。飲みやすい。痛風だけどこれなら飲めるとか、女性の方も多く買ってくれますね」。りりさんもプライベートでは、よくハイボールを飲むという。背負ったタンクとレモン味の氷も持ち歩くため、装備の総重量は約15キロもある。

りりさんは柔らかい笑顔でよくしゃべる。1杯でも多く売りたいのであれば短く切り上げればいいが、1杯、1杯の出会いを大事にする。それは師匠と慕った先輩のビール売り子サキさんに学んだからだ。「サキさんはどんなに忙しくても、一人一人のお客さまのことを思って接客をしていた。その姿勢を尊敬して、私も一つ一つの接客を大切にしようと思うようになりました」。24年の売り子ダービーではサキさんと一緒に表彰された。

サキさんは上京し「FRESH CHARM(フレッシュ・チャーム)」というアイドルグループで「永瀬咲希」としてアイドルデビューした。「本当にすごい」とりりさんも驚くばかりだ。

りりさんの常連の中でカップルだった2人が夫婦になり、うれしそうに報告を受けたこともあった。ラストシーズンも残り半分。“ハイボールの女王”は「最後まで自分らしくハイボールを売っていきたいですね」と笑う。ビール以外の売り子にもドラマがある。

◆みずほペイペイドームの売り子 1試合あたり、飲食部門の売り子はアサヒビール80人、キリンビール70人、チューハイ30人、ソフトドリンク10人、カップアイス30人。これ以外にもジェット風船などのグッズを売る売り子もいる。