<西武8-6ソフトバンク>◇25日◇ベルーナドーム
負けると首位ソフトバンクに6・5ゲーム差を付けられる試合を、2位西武は劣勢から一気にひっくり返した。3連戦前の4・5ゲーム差に戻した。
6回表に4点差にされ、相手は苦手のソフトバンク大津。敗色が濃くなりつつある中で、連続四球と安打で無死満塁にし、仲三優太外野手(23)が打球速度173キロ超の適時打を放ち、まず3点差。疲れが見える大津をマウンドから降ろしたが、そこに変速剛球左腕ヘルナンデスが登場した。打順の並びはそこから4人連続で左打者。無死満塁とはいえ苦しいかと思われたが、9番の西川愛也外野手(27)がどん詰まりの二塁内野安打でもう1点。「対左にはすごいと思っていたので、割り切って腹くくって」とボール気味の内角球に食らいつき、希望をつなげた。
続く1番滝沢夏央内野手(22)にはボール球が3つ続いた。それでも滝沢は「(ストライクかボールか)見極める自信がなかったので、甘いところだけを行こうと」と決め、カウント3-1からの内角球を臆せずに引っ張った。適時打で1点差にした。
「1点差に追いつく」「同点」「勝ち越し」では、その後の試合展開も変わる。なおも無死満塁で2番石井一成内野手(32)は外角2球で追い込まれた。仲三も西川も滝沢も、打球はどうあれ強く振り抜いた。その流れで石井は。
「いや、なんもイメージとかないっす。本当に気持ちだけっす。とにかく、事を起こそうと」
スライダーに反応した。バットを出したが、手首はほとんど返していない。まるでトスバッティングのように当てただけ。
「球、速いんで」
強烈な反発力ではじき返された打球が、センターまで飛んでいった。同点になったことで、西武ファンから108・6デシベルの歓声がうなり、チャンステーマ4も始まる。王者と呼ばれるソフトバンクを相手に、空気を変えていく。
ヘルナンデスのボークで1死二、三塁に。林安可のセンターへの飛球は定位置か、わずかに浅かった。しかし三塁走者は俊足の西川だ。タッチアップする。
ソフトバンク側としても勝ち越しはさせられない。ゴールデングラブ賞常連の中堅周東が本塁へのノーバウンドで勝負した。西川の足が勝ったが、その周東の本塁送球の軌道の高さが、二塁走者滝沢のタッチアップを成功させた。
送球の軌道を見てからスタートしたのか。滝沢は「そうですね」と言った。中継プレーも含め低い送球だったら行っていなかったのか。「低かったら行ってないです」とも言った。悠々と三塁に進み、ヘルナンデスの再びのボークで「2点差」まで広げ、強力打線を相手にするリリーフ陣を楽にさせることができた。一丸でソフトバンクをのみ込んだ。【金子真仁】