<背番号7の夏祭り>
ルーキーイヤーから6年連続オールスターに出場する全セの阪神中野拓夢内野手(30)が、日刊スポーツに独占手記を寄せた。
球界が認める一流メンバーの常連になり、チーム内野手では坂本誠志郎捕手(32)、大山悠輔内野手(31)、佐藤輝明内野手(27)、森下翔太外野手(25)とともに出場する。「背番号7の夏祭り」と題した2回連載の1回目は、虎自慢の強力クリーンアップの素顔を語った。【聞き手=只松憲】
今年も多くの方のおかげでオールスターに出場させていただくことになりました。プロ1年目から6年連続になりますが、やっぱりこの2試合のとらえかたは少しずつ変わっています。ルーキーの時に比べたら自分より年下の選手が多くなってきましたし、いろいろ違う楽しみ方があります。普段はなかなか他球団選手と交流できないし、年々モチベーションが違います。
今年は阪神の野手では坂本選手、大山選手、佐藤選手、森下選手も出場します。今回はチームでクリーンアップを打つ3人について僕が感じている印象などを語ろうと思います。
まずは3番を打つ森下。いつも明るくチームを鼓舞してくれる一方で、まだまだ気持ちのムラが多いと思います。打っている時は乗っていけるんですけど、調子が悪くなった時に気持ちの切り替えが大切だということに本人が気づいて、それを乗り越えないといけないところだと思います。プロ野球は次の試合がすぐに来きます。日々のマインドセットはすごく大事になってきます。
それでも見方を変えれば、森下は常に向上心があるということだと思います。バッティングに関してもいろいろフォームを試していたり野球に対する熱はすごい。その姿勢はチームにいい影響を与えてくれていますし、阪神にとって大事な存在です。今後も見守っていきたいと思います。
次に4番を打つ輝。20年ドラフトの同期です。1年目から切磋琢磨(せっさたくま)してきた特別な存在ですが、本当にマイペースですね。気持ちがブレない。約束の時間がギリギリになってもなんとも思わなかったり(笑い)。いい意味でマイペースだなって入団した時からずっと感じています。自分を貫き通す力というか、周りに何を言われても動じない。自分のやりたいことを考えながら、誰に何を言われようと物事を貫き通す輝の姿勢はすごいなって思います。森下と似ていて向上心もあります。日頃から見ていて「もっと打ちたい」「もっとうまくなりたい」という気持ちがすごく伝わります。輝も野球に対する熱はすごいです。
前半戦最後のマツダスタジアムでの広島3連戦では、あわや死球の内角球を受けたり、大山さんがデッドボールを受けて感情的になる場面がありました。普段は温厚な輝があそこまで感情を出すシーンは見たことがなかったのです。俯瞰(ふかん)して考えると、輝があそこまで熱い気持ちを持ちながら戦っていたんだなっていうことを改めて感じることができたシーンでした。
最後に5番を打つ大山さん。野球に対する姿勢や人間として見習わないといけないことがすごく多いです。後輩選手にもすごく優しくて、自分も誕生日にプレゼントをいただきました。すごく尊敬する先輩です。大山さんにいろいろプレゼントをいただいてきたからこそ、自分も後輩の初ヒットや誕生日でプレゼントをあげたいなっていう風に思うことにつながりました。大山さんの人間性は誰が見ても素晴らしいなと思います。
打席内でも常に堂々としている印象です。大山さんが中心にいることはチームとして安心感がありますし、どちらかというと感情を表に出すタイプではありません。輝や森下が(感情を)出している分、大山さんはどっしりと構えてくれる。そういった姿を見ていると、本当に強い芯があるんだなと思います。繰り返しますが、本当に大山さんは尊敬する先輩です。
僕はチームで2番を任せてもらえることが多いですが、クリーンアップにチャンスで回せば走者を返してくれる、何かをしてくれるんじゃないかと思っています。近本さんが左手首骨折から1軍に戻ってきて、より自分の役割は大事になってくると思っています。ですが、クリーンアップに頼りすぎてもなかなか得点力は上がってこないと思っているのも事実です。チャンスで打席が来れば、なるべく自分でも走者をかえせるように頑張っていきます。
いよいよ今年もオールスター開幕です。頼もしいチームメートの方々と精いっぱい、実りある時間にしていきたいと思います。(阪神タイガース内野手)