<日本ハム5-5ソフトバンク>◇20日◇エスコンフィールド
4番打者の一振りが「完敗ゲーム」を救った。ソフトバンク栗原陵矢内野手(30)が起死回生の1発を放って窮地を救った。
4点を追う8回だった。2四球と安打で無死満塁。打席に入った栗原はカウント2-0からしっかり直球に的を絞った。日本ハム福島の151キロのストレートを振り抜くと打球は右翼席に飛び込んだ。同点の33号グランドスラム。7試合ぶりのアーチで試合を引き戻した。「まっすぐを完璧に捉えることができました」。自画自賛のアーチで4打点を稼ぐと、先輩近藤の89打点を抜き去り、90打点。本塁打&打点でリーグトップに立った。ダイヤモンドを周回し三塁側ベンチに戻ると近藤から「オレ(打点が)抜かれたかな」と言われた。「(打点は)チームが勝つ確率が上がるし、もっと取って行きたい。よかったですね」とさらに積み上げるつもりだ。
延長戦にもつれ込み、4時間34分のドロー。疲労困憊(こんぱい)の中でもチームは笑顔だった。「(栗原は)失投を逃さなかった。完敗のゲームから引き分けですからね」。試合後の小久保裕紀監督(54)も主砲の1発に目を細めた。
この日は、開幕から10連勝中の前田悠伍投手(21)が中10日で先発。立ち上がりから制球に苦しみ3回に長短4安打などで3失点。ベンチもビハインドの5回98球で若き左腕から継投策に切り替えたが、栗原の満塁弾で「負け」が消えた。小久保監督も「前田悠は何かありますねえ」と負けないサウスポーに苦笑いした。
敵地・北海道でカード勝ち越しこそ逃したものの、西武が負けたため、優勝マジックも二つ減らしてM25とした。負けない「強さ」を証明した。【佐竹英治】